スマートエネルギーWeek 2018 特集

既存の導水管を電源に、リコーのマイクロ小水力発電システム関西スマートエネルギーWeek 2017

リコージャパンは「関西 スマートグリッドEXPO」で、開発中のマイクロ水力発電システムを展示した。既存の導水管などに取り付けて発電する仕組みで、自家消費向けの発電システムだ。2018年度中の商品化を目指すという。

» 2017年09月25日 07時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 リコージャパンは、「関西 スマートグリッドEXPO」(「関西スマートエネルギーWeek 2017」内、2017年9月20〜22日、インテックス大阪)で、リコーグループが目指すスマート社会への取り組みを紹介した。

 展示したのは、EV充電器、電力販売サービス、マイクロ水力発電システムなど。このうちマイクロ水力システムは模型を用意して、概要を詳しく説明した。水力エネルギーは、再生可能エネルギーの中でも発電量の変動が小さいことから、ベース電源としての活用が期待されている。リコーは、特に投資採算性が厳しいと言われていた農業用水路や河川、用水路さらにビル・工場内水流を小水力エネルギーとして回収し、利活用するマイクロ水力発電システムを今後、提案していく方針だ。

 マイクロ水力発電は発電出力100kW(キロワット)以下の水力発電。リコーではこれまでの複写機やカメラなどの精密機器開発で培った技術をベースに、名古屋大学、インターフェイスラボと共同で、発電出力1kW前後の小型かつ低コストなマイクロ水力発電システムを開発した。

 システムは既存の導水管などの中に水流を受けて、水車と発電機が一体となった中空プロペラ型水力発電機が回転し発電する。発電機の中央部には穴を設けて、河川など野外施設で使用される場合、発生する落ち葉などによる閉塞を防ぎ、安定稼働を維持する。既に企業などで実証実験を開始しており、2018年度の商品化を予定している。用途は自家消費を対象とし、導入を検討している企業では水質検査用装置の電力源や非常用電源などに利用することを検討しているという。価格は「自動車1台分程度」(リコージャパン)としている。24時間体制の保守サービスや、異常時のオンサイト保守体制なども整える。

マイクロ水力システムの概要(クリックで拡大)

 この他、ブース内では自動車とEV充電器を展示し、充電器の販売から施工、運用、保守をワンストップで提供するトータルサポートや太陽光発電O&Mサービス、電気料金の低減、電力使用量の削減を提案する電力販売サービスなども紹介した。

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