発電効率64%の最新ガスタービン、旧式石炭の代替でCO2を70%減蓄電・発電

三菱日立パワーシステムズは、空気冷却方式の新型ガスタービンが発電効率64%に到達したことを確認したと発表した。旧式の石炭火力発電設備を本形式ガスタービンに置き換えることで、CO2排出量を約70%削減することが可能だ。

» 2018年01月31日 07時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、空気冷却方式のJAC(J-series Air-Cooled)形ガスタービンが発電効率64%に到達したことを確認したと発表した。JAC形は2016年12月に市場投入した同社主力のJ型ガスタービン最新機種で、高効率と信頼性および低コスト発電が特長となっている。

J形ガスタービン 出典:三菱日立パワーシステムズ

 60Hz用のJAC形ガスタービンは、排熱利用による蒸気タービン発電との複合サイクルで57万5000キロワット(kW)の発電能力を持ち、旧式の石炭火力発電設備をJAC形ガスタービンに置き換えることで、CO2の排出量を約70%削減することが可能だという。

 また、同社は、高砂工場(兵庫県高砂市)にJAC形ガスタービンによる自社の実証設備複合サイクル発電所を開設しており、そこで99.5%の信頼性と1万4000時間以上の商業運転を継続しているとする。

 同社CTO兼常務執行役員の六山亮昌氏は、今回の成果について「MHPSは2004年から発電効率65%の目標を設定し、それを自社技術で徹底的に追求してきた。そのさまざまな技術検証を経て、MHPSは今日、先進的ガスタービン市場をリードする位置につくことができた」と述べた。

 MHPSのJ形ガスタービン全体の累計稼働時間は、2011年に実証運転を開始してから、計50万時間に到達した。これは、同出力帯のガスタービンでは業界でトップクラスであり、長時間にわたる運転実績から信頼性が確認されているという。

 MHPSは、これまで47基のJ形ガスタービンを世界中で受注しており、うち41基が出荷済みで、26基が商業運転を開始している。同社は今後もJAC形ガスタービンをはじめJ形シリーズの市場浸透に力を注ぎ、地球規模での環境負荷低減と経済発展に貢献する方針だ。

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