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» 2018年06月22日 07時00分 公開

太陽光:太陽光発電の安全強化へ、架台・基礎の設計ガイドラインを公表

JEPAと奥地建産がNEDO事業の一環で作成を進めてきた、太陽光発電所の設計ガイドラインがついに公表された。安全性と経済性が高い架台や基礎の設計基準などが記載されている。

[長町基,スマートジャパン]

 太陽光発電協会(JPEA)と奥地建産は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業のもと、「地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン2017年版」および「地上設置型太陽光発電システムの構造設計例」を策定した。自然災害や経年劣化に対して安全性と経済性が高い太陽光発電システムの架台・基礎の設計基準指針となる。

構造設計例の架台(一般仕様)出典:NEDO

 2012年7月の再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT制度)の導入に伴い太陽光発電システムの導入量は急増している。一方で、暴風や大雪による設備への被害が顕在化してきた。太陽光発電システムの被害は、発電事業の採算性を損なうだけでなく、設備の倒壊や飛散による二次被害の発生を招きかねない。太陽光発電システムは、「電気設備の技術基準の解釈」に従い構造設計を行うが、一部には誤った設計なども見受けられ、被害事例の多くは不適切な設計による構造耐力の不足が要因となっていると考えられる。

 そこでJPEAと奥地建産はNEDO事業で、太陽光発電システムの自然災害や経年劣化に対して安全性と経済性を確保するため、構造安全性の課題に関する調査・研究・実証試験を進めてきた。

 この実証試験で得られた知見をもとに、長期にわたり社会的財産となり得る構造安全性の高い太陽光発電システムを提供する方策の1つとして、今回、架台・基礎の設計基準となる設計ガイドライン、構造設計例を策定した。

 地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン2017年版は、構造安全性の高い太陽光発電システムの提供に向けて、地上設置型の基礎と架台設計のためのガイドラインで、総則、計画、調査、設計荷重、基礎の設計、架台の設計および腐食防食の7章と参考文献で構成している。

 地上設置型太陽光発電システムの構造設計例は、同設計ガイドライン2017年版の付録で、この内容に沿った地上設置型太陽光発電システムと基礎の構造計算を行った設計例であり、「一般仕様」「強風仕様」および「多雪仕様」の例を掲載した。この構造設計例については「電気設備の技術基準の解釈」に引用されている。

 今後、同設計ガイドライン、構造設計例は地上設置型太陽光発電システムの導入または改修を検討している事業者などの設計に広く用いられ、安全性と経済性が確保されることを目指す。

 さらに、太陽光発電システムの安全性を確保するために、NEDOは適用性を向上させるための実証試験や調査に取り組み、今後もガイドラインの内容充実を図り、改訂を進める。

 なお、設計ガイドラインを中心に、関連する太陽光発電システムの保守・点検や評価などを実施する上で参考になる事項や資料などを解説するセミナーを2018年8月8日の東京を皮切りに、2019年2月まで全国10カ所(北海道、宮城、東京、愛知、富山、大阪、広島、香川、福岡、沖縄)で開催する予定だ。

 参加費は無料(事前申し込み、定員制)。対象者は太陽光発電のオーナー・事業者、電気主任技術者、関係省庁・自治体担当者などで、内容は太陽光発電に対する施策の紹介、NEDO成果の設計ガイドラインおよび構造設計例の解説、関連するJPEA自主作成資料などの紹介となっている。

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