石油火力をバイオマス発電に転換、2023年稼働へ改造がスタート自然エネルギー

関西電力が兵庫県相生市で運営する火力発電所で、一部の設備を改修して燃料をバイオマスに転換するプロジェクトがスタート。営業運転開始は2023年を予定している。

» 2018年11月08日 09時00分 公開
[スマートジャパン]

 三菱商事は100%子会社の三菱商事パワーを通じて、2017年4月に関西電力と共同で新会社の相生バイオエナジーを設立し、バイオマス発電の事業化を推進している。このほど兵庫県相生市で計画している事業について、プロジェクトファイナンスによる融資を受け、バイオマス発電所建設に必要となる詳細設計、機器調達を開始した。

 同事業では、関西電力が兵庫県相生市に保有する定格出力37.5万kW(キロワット)の相生発電所2号機の燃料を、重油・原油から木質バイオマスペレットへ変更し、バイオマス発電所として運営する。同発電所は既に2018年4月から休止しており、今後は既存設備のボイラー・燃料運搬コンベアなどの改修・新設工事、タービンなどの換装工事を実施し、バイオマスペレットを燃料とする発電所に改造する。

 新たに導入する蒸気タービンは20万kW級で、これらの更新用機器の供給を含む工事一式は、東芝エネルギーシステムズが担当する。改修後の、営業運転開始は2023年1月、運転期間は2020年を予定している。

相生発電所の外観 出典:関西電力

 なお、燃料となるウッドペレットを調達する三菱商事は、燃料の輸入本船荷役、サイロ保管および発電所までの内航輸送業務について、港湾運送事業などを手掛ける上組と契約を締結した。上組は2018年10月31日付けで全農サイロ(東京都千代田区)が神戸市に所有する施設を購入し、燃料供給基地として改修する計画だ。

上組が燃料供給基地として改修する施設 出典:関西電力

 三菱商事はグループ各社とともに、国内外で再生可能エネルギー事業を手掛けてきた。国内では三菱商事パワーが太陽光発電、風力発電をはじめとした再生可能エネルギー事業を展開。同事業はその一環となる。2030年までに発電量の20%以上を再生可能エネルギー由来とする目標の早期達成を目指す方針。

 関西電力は23030年までに50万kW(キロワット)程度の再生可能エネルギー電源の開発を目指しており、今回の事業はそれに向けた取り組みの一環となる。

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