シンガポールで潮流発電を実証、日本郵船らが参画へ自然エネルギー

日本郵船らがシンガポールで潮流発電の実証実験に参画。海洋エネルギーを利用できるため、今後日本でも導入が期待される潮流発電技術に関する知見獲得を目指す。

» 2018年12月04日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 日本郵船および同社グループのMTI(東京都千代田区)は2018年11月、シンガポール・セントーサ島における潮流発電装置の実証試験に共同研究パートナーとして参加すると発表した。シンガポールで再エネ事業に取り組むMAKO Energyや、同国の法定機関Sentosa Development Corporationが行う実証試験に参加する。実証は2019年春から開始する予定だ。

 日本郵船グループは2018年3月に策定した中期経営計画「Staying Ahead 2022 with Digitalization and Green」に基づき、グリーンビジネスの展開などの新たな価値創造に取り組んでいる。既に完成車ターミナルへの太陽光発電の導入、洗車用水の100%再利用や風力発電機の建設など、環境に配慮したグリーンターミナル運営を行ってきた。さらに新しい再生可能エネルギー技術の知見獲得を目的に、海洋分野を含む新事業に関する調査および研究などの事業を展開するMTIと共同で、実証試験への参画を決めた。

 MAKO Energyは、豪州の潮流発電タービンメーカーElemental Energy Technologiesの子会社で、シンガポールを拠点に潮流発電を含む再生可能エネルギーに関連したソリューションを提供している。Sentosa Development Corporationはシンガポール・セントーサ島の開発・運営・広報を担う通商産業省の下に設置された法定機関。

 今回の実証試験では海洋再生可能エネルギーの商用化に向けたもので、シンガポール島とセントーサ島をつなぐ橋(セントーサ・ボードウォーク)の橋脚に、MAKO Energyの潮流発電タービンを設置し、今後2年間の実証試験を通して発電効率や蓄発電コストの試算、蓄電装置の検証などを進める。

MAKO Energyの潮流発電タービン 出典:日本郵船

 なお、共同パートナーには日本郵船、MTIのほか、アジア海洋、日本海事協会、Temasek Polytechnic、Nanyang Technological Universityも参加する。

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