清水建設が小水力発電に本格参入、30年までに総出力1万kW体制へ自然エネルギー

清水建設が小水力発電事業に本格参入。2030年までに総発電出力1万kW体制を構築する方針だ。第1弾として富山県に発電能力960kW(キロワット)の発電所の建設に着手する。

» 2019年01月22日 09時00分 公開
[スマートジャパン]

 清水建設は、再生可能エネルギー発電事業の推進を目的に、小水力発電事業に本格参入する。第1弾として、富山県内で約16億円を投じ、発電能力960kW(キロワット)の発電所の建設に着手する。稼働は2020年12月の予定だ。

建設する小水力発電所のイメージ 出典:清水建設

 東日本大震災後、小水力発電に取り組む企業が増えている。その理由には、地元との調整や開発申請に時間を要するものの、発電量が1000kW以下ながら季節や昼夜を問わず安定的に電力を供給できること、少額投資で事業化が可能なこと、さらには発電所の開発に際して周辺環境や生態系への負荷が少ないことなどが挙げられる。

 清水建設は2016年12月に、水資源が豊富な富山県内で小水力発電の事業化検討に着手。2017年12月には、小水力発電の実績が豊富な日本小水力発電(山梨県北杜市)および情報・通信・制御のソリューションサービスの日本エレクトロニクスサービス(富山市)と共同で、小水力発電事業に関する検討、売電、点検などを行う事業会社「水の国電力」(東京都中央区)を設立(出資比率=清水建設51%、日本小水力発電45%、日本エレクトロニクスサービス4%)。水の国電力を介して小水力発電所の建設に向けた開発申請業務などの準備を進めている。

 清水建設は、第1弾の発電設備の運転開始後、20年間にわたりFIT発電事業を展開するとともに、富山県内の他地域を含め、5〜6県の計10数カ所で小水力発電所の開発に取り組み、2030年までに総発電出力1万kW体制、総売上高20億円を目指す方針だ。

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