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コラム 「情報メディア白書2004」から〜電通総研が斬る! 地上デジタル放送への論点(6)
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| 対象 | 内容 | 目的 |
| 家電メーカー | 新規に発売されるテレビ受信機に、2007年までに段階的にデジタルチューナー搭載を要求 | 端末レベルでの地上デジタル放送視聴環境の整備 |
| 家電メーカー | デジタルコンテンツの不法な録画やインターネットでの流通を阻む技術(放送フラッグ)の採用を要求 | デジタルコンテンツのコピー防止、著作権保護 |
| 放送事業者 | デジタル免許を取得した放送局にデジタル放送の開始を要求すると同時に、地上波、CATV、DBSの各放送局にデジタル番組を増やすことを要求 | 視聴者への付加価値の向上による、地上デジタル放送の普及促進 |
| メディア事業者(主に放送事業者) | マスメディアの所有規制の緩和(詳細は後述) | (デジタル化に耐えうる)メディアの経営体力の増強 |
| ケーブルテレビ事業者 | ケーブルテレビ経由での地上デジタル放送番組の再送信の義務付け(マストキャリールール) | 地上デジタル放送視聴環境の整備 |
上記のようなデジタル普及政策と平行して、メディアの所有規制の緩和の議論が進んでいる。ケーブルテレビや衛星放送、インターネットの発達によってメディア環境は大きく変化しており、そうした環境変化に即して制度を見直そうというのが議論の前提としてある。
さらにその背景には、新聞社と放送局の兼営等を許容することで、放送局にデジタル化に向けた投資負担に耐える経営体力を確保させたいといった行政側の思惑も作用している(下図)。つまり、メディア所有規制緩和の議論は、デジタル放送普及政策とも密接に結びついているのである。
メディア所有規制緩和に関しては、「安易なメディア所有規制の緩和は、報道内容の多様化を阻害する」といった「放送の公共性」からの批判が出されている。こうした視点から、連邦高等裁判所はFCCに対して、議会の動向が定まるまで新規制の施行を差し止めるように命令した。しかしながら、2004年1月には、同法案はFCC案を一部修正する形で上下両院で可決され、一応の決着が見られることになった。
マスメディア所有規制の概要
| 内容 | 旧 | 新 |
| 全米規模での放送局の所有制限 | 全米視聴世帯のカバー率を35%以下に制限 | 上限を39%に緩和(当初は45%が提案されていたが、妥協) |
| 地域規模での放送局の所有制限 | 大都市では2局まで所有可能 | 大都市では3局まで所有可能 |
| 新聞社、放送局の兼営 | 兼営は禁止 | 中規模の都市(9つ以上のテレビ局が存在する市場)では兼営可能 |
上述のように、地上デジタル放送普及政策は、紆余曲折を経ながらも、漸進的に進んでいる。
米IMS Researchによると、普及政策や受像機価格の低下、世界規模での普及キャンペーンの影響により、これまで立ち上がりが遅れていたデジタルチューナー内蔵テレビの普及は2005年以降に急速に拡大するとされている。
2003年末にデジタル化を開始した日本においては、2004年4月末現在でデジタル放送受信機の累積出荷台数は80万台強である。これを多いと見るか少ないと見るかは判断の別れる所だが、受信可能世帯が500万世帯にも関わらず、放送開始から5か月間でここまで普及したのは健闘していると言ってもよいのではないか。
放送のデジタル化が世界的な趨勢として急速に進んでいくかどうか、さらには日本はその波に乗れるのか(あるいは日本が波を作っていくのか)、今後2、3年の動きが注目されるところである。

[西山守,電通総研]
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