米Teslaのイーロン・マスクCEOは5月13日(日本時間)、同社の人型ロボット「Optimus」が、素早く片足ずつ交互にステップを踏む動画を公開した。両手を伸ばし、上半身を左右に傾けながらバランスを取る姿を確認できる。同日午前9時に自身のXで投稿し、午後5時の時点で6000リポスト以上に達するなど、注目を集めている。
Optimusの動きについて、Teslaのエンジニアを務めるミラン・コヴァック氏は引用ポストで解説した。それによると、ある動きに対するフィードバックを繰り返し、AIやロボットの動きを最適化する手法「機械学習」を活用。完全なシミュレーション環境下で強化学習を行い、現実世界でも動作できるよう調整することで、この動きを実現したという。
一方、動画内のOptimusの背面には、天井から伸びるケーブルがつながれている。この点については「落下時の対策として設置している」「ロボットを実際に支えているわけではない」と説明。「これは初期結果であり、すぐに安定性が向上する予定」として、近日中に追加情報を公開するとしている。
この動画に対し、X上では称賛や驚きの声が上がる一方、「生成AIによるフェイク動画ではないか」と疑念を示すユーザーも見られる。これに対し、イーロン・マスクCEOは「本当にリアルタイムだ」とリプライで補足している。
Optimusを巡っては、2023年に発表した最新モデル「Gen 2」とみられるロボットが、24年10月にTeslaが開催したイベントに登場。バーテンダーとして客に酒を注いだり、ダンスしたりする姿を披露して話題を呼んだ。一方、Gen 2は完全に自律しておらず、一部の機能で遠隔操作を使っていたと、米Bloombergなどが報じていた。
今回の動画に映っているモデルも、Gen 2とみられる。近日中に出るという追加情報を注視する必要がありそうだ。
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