noteは6月17日、noteユーザーが投稿したテキストコンテンツを複数のAI事業者に学習目的で提供し、得られた対価の一部をユーザーに還元する仕組みを、8月1日に正式にスタートすると発表した。
「より多くのコンテンツを提供するほど、AI事業者との交渉力が高まり、一人ひとりへの還元額を増やしやすくなる」ため、初期設定ではAIへのデータ提供がオンになっている。画像、音声、動画などテキスト以外のコンテンツはAI学習の対象外。
設定画面の「AI学習対価還元プログラムに参加する」から参加の可否を選べる。初期設定はオンなので、希望しない人はオフにする必要がある。
以前からあった「生成AIの学習に拒否移行を示す」という設定がオンのユーザーは、「AI学習対価還元プログラムに参加する」もオフになっている。
アカウント全体とは別に、記事単位でも参加・不参加も選択できる。
AI事業者から得た収益は、noteの運営手数料を差し引いたうえで、クリエイターに分配する。 対照記事や還元額の基準は、PVやスキ数、文字数、文章表現、専門性などを基に、学習データとしての有用性を総合的に評価して決めるという。具体的な分配ロジックは「構築中」としている。
提供されたコンテンツは、言語モデルの思考力や言い回し、会話品質の向上など、AI製品の品質向上を目的とした強化学習に活用される予定。提携するAI事業者は、技術の透明性・倫理観・法令順守などの観点から信頼できるパートナーに限定するとしている。
同社は、AI学習でクリエイターに対価を還元する実証実験を2月から3回にわたって実施。初回は約1200人が参加し、総額500万円超を支給したという。実験では「自分の創作活動が正当に評価されていると感じた」「新しい収益の可能性に期待できる」といった前向きな声が寄せられたという。
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