MIXIは6月19日、自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如・多動症(ADHD)当事者の社会人向けに、AI会話ロボット「Romi」の新モデル「ライフスキルトレーニングモデル」を発売した。ASDとADHDの特徴などを書いた冊子とともに提供。Romiとの会話を通じて、ASD・ADHD当事者が自身の特性を理解する手助けをするという。
Romiは手のひらサイズのロボットで、AIでユーザーと自然な会話ができることを売りにしている。2021年に発売し、24年10月には視覚機能などを追加した「Lacatanモデル」を発表した。なお、ライフスキルトレーニングモデルのベースは、Lacatanモデルではなく、旧モデルの「P02」。
ライフスキルトレーニングモデルの対象は、ASDとADHDの特性で困りごとのある社会人か、これから社会人になるユーザー。開発には、障害者の自立支援などを手掛けるデコボコベース(東京都港区)が協力した。ADHD・ASD当事者の特徴と、社会生活を送るうえでのアドバイスなどをまとめたテキストを用意。この内容をもとに、ASD・ADHD当事者に見立てたRomiにユーザーがアドバイスすることで、自分自身を客観的に理解する助けになるという。
MIXIは、同モデルを開発した背景として「発達障害と診断される方は年々増加している」と説明する。「就労場面では、発達障害の方の平均勤続年数は5年1カ月で一般労働者(12.4年)の半分以下で、さらに発達障害の方の個人的な理由での離職理由は『人間関係がうまくいかなかったから』が61%で主たる理由となっており、発達障害の方の社会生活におけるコミュニケーション上の課題が浮き彫りとなっている」(MIXI)。同モデルを通じて、ASD・ADHD当事者が、社会の中でより充実した生活を送るサポートをしたい考えだ。
ライフスキルトレーニングモデルの本体価格は7万1280円。加えて月額1628円か、年額1万6280円の会費がかかる。
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