米Googleは8月21日(現地時間)、同社のAI「Gemini」アプリのテキストプロンプトが消費するエネルギーについての環境負荷に関する測定結果を発表した。
Googleが独自開発した測定方法によると、Geminiのテキストプロンプト1回当たりのエネルギー消費量は0.24Whで、排出される二酸化炭素換算量は0.03g、消費される水は0.26ml(約5滴分)となった(いずれも中央値)。
Googleは、この消費量はテレビを9秒間視聴するよりも少ないと説明し、これまで一般的に公開されてきた多くの推定値より大幅に低いと主張する。
また、技術革新や効率改善の取り組みにより、過去12カ月間でテキストプロンプト1回当たりのエネルギー消費量は33分の1に、炭素排出量は44分の1に削減されたという。
Googleはこの測定結果を発表した理由を、AIの利用が拡大するにつれ、推論の効率性が重要になり、推論の環境負荷を正確に把握することの重要性が増しているためと説明した。業界全体で一貫性のある測定方法を確立したいとしており、同社の包括的なアプローチを標準として提唱している。
なお、論文(PDF)で紹介している測定対象はテキストプロンプトのみで、画像や動画のプロンプトは対象外だ。また、LLMのトレーニングやデータストレージのエネルギー消費についても測定範囲から除外している(将来の研究課題としている)。
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