アダルトビデオ女優のマネジメントなどを手掛けるBstar(東京都渋谷区)は9月11日、所属タレントの写真を利用し、生成AIで画像や動画を作らないよう注意喚起した。「本人の肖像権や著作権などの権利を侵害する可能性があるため」としている。
同社は「最近、弊社タレントの写真を生成AIなどに読み込ませ、画像や動画を作成する行為が確認されている」と、公式X(@bstar_pro)で指摘。そうした行為を控えるよう呼び掛けた。
経済産業省は、コンテンツ産業で生成AIを利用する際の注意点などをまとめた「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」(2024年7月公開)の中で、「生成AIを用いて生成した人物の肖像を許諾なく利用する行為は、従来の判例・裁判例からすれば、同定可能性(特定の人の肖像との同一性)が認められ、かつ、さまざまな事情を総合的に考慮したうえで、社会生活上受忍すべき限度を超える場合は、肖像権の侵害にあたる可能性がある」との見解を示している。
同様に、著作権については「従来の判例・裁判例では、(1)類似性(既存の著作物と類似しているか)と(2)依拠性(既存の著作物に依拠しているか)の両者が認められる場合に、著作権侵害になるとされている。AI生成物の類似性や依拠性の判断も、従来の判断方法と基本的に同様」としている。
一方、ChatGPTや、米GoogleのチャットAI「Gemini」のアプリでは、ユーザー自身が権利を持つコンテンツだけを同サービスに入力するよう、利用規約などで定めている。
生成AIによる画像の加工は、4月頃にChatGPTの画像生成機能でジブリ風に変換した画像がSNSで流行。その後、8月末頃から、Googleの画像生成AIモデル「Gemini 2.5 Flash Image」(通称:nano-banana)の発表もきっかけとなり、画像のフィギュア風の加工が注目を集めている。
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