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「タレントの写真でAI画像や動画を作らないで」――AV事務所が注意喚起

» 2025年09月12日 19時44分 公開
[ITmedia]

 アダルトビデオ女優のマネジメントなどを手掛けるBstar(東京都渋谷区)は9月11日、所属タレントの写真を利用し、生成AIで画像や動画を作らないよう注意喚起した。「本人の肖像権や著作権などの権利を侵害する可能性があるため」としている。

「タレントの写真でAI画像や動画を作らないで」――AV事務所が注意喚起

 同社は「最近、弊社タレントの写真を生成AIなどに読み込ませ、画像や動画を作成する行為が確認されている」と、公式X(@bstar_pro)で指摘。そうした行為を控えるよう呼び掛けた。

Bstarの発表全文(出典:Xのポスト)

 経済産業省は、コンテンツ産業で生成AIを利用する際の注意点などをまとめた「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」(2024年7月公開)の中で、「生成AIを用いて生成した人物の肖像を許諾なく利用する行為は、従来の判例・裁判例からすれば、同定可能性(特定の人の肖像との同一性)が認められ、かつ、さまざまな事情を総合的に考慮したうえで、社会生活上受忍すべき限度を超える場合は、肖像権の侵害にあたる可能性がある」との見解を示している。

肖像権に関する注意点(出典:コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック、以下同)

 同様に、著作権については「従来の判例・裁判例では、(1)類似性(既存の著作物と類似しているか)と(2)依拠性(既存の著作物に依拠しているか)の両者が認められる場合に、著作権侵害になるとされている。AI生成物の類似性や依拠性の判断も、従来の判断方法と基本的に同様」としている。

著作権に関する注意点

 一方、ChatGPTや、米GoogleのチャットAI「Gemini」のアプリでは、ユーザー自身が権利を持つコンテンツだけを同サービスに入力するよう、利用規約などで定めている。

ChatGPTの利用規約には「お客さまは、当社の本サービスに提供するインプットに必要な全ての権利、ライセンス、及び許諾を得ていることを表明し、保証します」と記載。
Geminiのアプリの「プライバシー ハブ」にも「アップロードや生成、編集は、ご自身が権利を有しているコンテンツに対してのみ行ってください」と記載。

 生成AIによる画像の加工は、4月頃にChatGPTの画像生成機能でジブリ風に変換した画像がSNSで流行。その後、8月末頃から、Googleの画像生成AIモデル「Gemini 2.5 Flash Image」(通称:nano-banana)の発表もきっかけとなり、画像のフィギュア風の加工が注目を集めている。

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