オーストラリアのアニメ会社Glitch Productionsは3月30日、「私たちは作品の中で(人間の)アートの代わりにAIを使うことは決してない」とする声明を発表した。声明ではジブリ映画について触れており、AIで“ジブリ風”の画像を生成する「Ghiblification」(ジブリフィケーション)騒動を受けた声明とみられる。
声明によると「アニメーションとクリエイティブプロセスのあらゆる部分に細心の注意を払う」ため、同社は80人超のアーティストを雇用しているという。そのうえで「ジブリ映画のニュアンスや複雑さ、美しさは人間の手と愛情抜きには決して表現できない」と指摘し、今後同社の作品ではAIを活用しない方針を示した。
ジブリフィケーションのきっかけは、米OpenAIが25日(現地時間)にリリースしたChatGPTの新たな画像生成機能だ。リリース後、OpenAIのサム・アルトマンCEOが自らのXのプロフィール画像をジブリに似た画風の画像にするなど、この機能で“ジブリ風”の画像を容易に出力できるとしてXなどで話題に。国内外でさまざまな画像を“ジブリ風”に加工するユーザーが相次いだ一方、一連の流行に不快感を示すユーザーも出るなど物議を醸していた。
Glitch Productionsはオーストラリアで2017年に設立。3DCGを用いたアニメーションをYouTubeで公開しており、ダークコメディーアニメ「アメイジング・デジタル・サーカス」の再生回数は31日時点で3.7億回を突破している。
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