先週のアクセストップは、思い切った仕様のカメラ「SIGMA BF」のレビュー記事だった。機能を極限まで省き、アルミ削り出しボディーの質感を最大限に生かしている。
筆者はソニー「α7IV」のユーザーだが、前使っていたキヤノン「EOS 6D」の方が好きだった。AF性能やレスポンスなどはαが大きく上回っているのだが、さわり心地や写真の仕上がりがEOSの方が好みだ。カメラって、機能だけじゃなくて、体験が大事ですよね。
アクセス4位には、ChatGPTの画像生成機能が進化した話題が入った。米OpenAIのサム・アルトマンCEOは、自らのXのプロフィール画像をジブリ風に変更。国内外で、プロフィール画像をジブリ風にしたり、歴史的な写真をジブリ風に変換したりするムーブメントが起きた。
筆者は、AIの進化には肯定的な立場だと自認しているし、仕事でもプライベートでも積極的に使っている。でも、現役クリエイターの作風をAIにまねさせ、それを無邪気に公開するムーブメントには不快感を覚えた。
ジブリや宮崎駿(崎はたつさき)さんのポリシーに反しそうな絵もたくさん公開されていた。血なまぐさい事件などを安易に再現されるのは、クリエイターとしては不愉快だろうと思う。細部まで精魂込めて描いているクリエイターからすれば“ジブリっぽい”AI作品も、実際とは全然違うと感じそうだ。
といってもこれは全て想像で、実際にどう思うかは、クリエイター本人に聞かないと分からないが。
少し前まで、アニメ絵をまねたAI作品が話題になると、かなりの頻度で大きな批判を受けていた。“元ネタ”のクリエイターがはっきりしなくても「よく見たらこの部分は○○に似ている」と批判され、炎上していたのだ。今回は元ネタが現役のスタジオ・クリエイターだとはっきりしているのに、大きな批判が起きなかったことに驚いた。
これは“現役作家の作風をまねしたAI作品”が広く受け入れられてきた、ということなのだろうか。
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