コロプラは10月6日、社内のAI活用を推進するための取り組みを公開した。AI導入のために4つのステップなどを設計。結果、社員の9割以上がAIを業務に活用するようになったという。
同社は2022年ごろから、社内のAI活用の推進を本格化した。まず、AIの活用度を5段階で整理。多くの場合、試験的なプロジェクトなどでAIを利用する「レベル2:探索」までは進むものの、実際の業務でAIを活用する「レベル3:運用」には至らないと分析した。
そこで同社は、AI導入で4つのステップを設けた。まず、「パイロット段階」として、個人や小規模グループで試験的にAIを活用。この結果を共有し、複数部門で運用を始め、共通ルールを整備する「ハブ段階」、ガイドラインとともに全社展開する「スポーク段階」、AI業務プロセスに統合する「統合段階」の順で進めた。
また、社員のAI活用に対する心理状態を6段階で評価する「心理的浸透度モデル」を構築した。AIへの関心が薄い「無関心期」から、AIを前提に業務設計などをする「革新期」までを段階的に設定し、社員がAI活用に対してどう感じているかを可視化。他にも、AIの利用例を共有するSlackチャンネルを作るなど、AI活用を後押しした。
その結果、9月に社内で実施したアンケートでは、社員の92%が業務でAIを活用していると答えた。利用頻度も高く、52.3%は「ほぼ毎日使っている」、34.1%は「週に数回使っている」と回答。また、AIを活用する社員の30%超が、業務量の50%以上の削減を実感していることも判明したという。
こうしたステップの構築と浸透度を可視化したことに加え、役職者(マネジャー以上)による積極的なAI活用、Slackチャンネルや人事主催のAI勉強会/ライトニングトーク会などによる、さまざまな職種の「AIを使ってみた」という声の共有。さらに、経営層が活用の方向性やガイドラインを明示することで、「トップダウン」「ボトムアップ」「ミドルアップダウン」の多方向から、AI利用のハードルを下げたという。
結果、AIを活用する社員の25.2%が、心理的浸透度モデルに照らし、現在の状況は最終段階の革新期に当たると答えるまでになった。「社内全般に『AIを使うのが当たり前』という雰囲気が醸成されている」(コロプラ)。
コロプラは、今回紹介した取り組みについて「企業の規模や業種を問わず、AI導入・活用を検討されている多くの企業にとって、自社の状況を客観的に把握し、次の一手を考える上での有効なフレームワークとして活用いただける」としている。
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