ソフトバンクは12月11日、法人向けAIエージェントサービス「AGENTIC STAR」(エージェンティック・スター)を提供すると発表した。米Anthropicが提唱するAIエージェント向けプロトコル「MCP」に対応し、既存の業務システムや外部のAIエージェントとの連携もできる。
AGENTIC STARでは、ユーザーが指示を入力すると、AIが80種類以上のツールや社内データベースを参照しながらタスクを遂行する。タスクごとに専用の仮想環境で処理できることが特徴で、レポートやプレゼン資料の作成、アプリ開発などに対応する。また、過去のやりとりや社内資料をAIが参照できる仕組みで、長期的に処理精度を高められるという。
SaaSでの展開に加え、個別に顧客企業の社内システム上でも提供する。2026年3月には、既存の業務システムへのAIエージェント機能の組み込みや、クラウド上でのAIエージェントの実行環境・開発キットの提供も開始する予定だ。
ソフトバンクの上原郁磨氏(法人統括 AX事業本部 本部長)によると、AGENTIC STARは、業種や企業規模を問わず展開する。SaaSでの提供の場合、初期費用は掛からず、ユーザー課金形式(価格は非公開)という。事業規模は、関連サービスを含め2030年に500億円を目指す。
一方ソフトバンクは、ソフトバンクグループと米OpenAIとの合弁会社SB OAI Japanから、企業向けAIサービス「クリスタル・インテリジェンス」の展開を予定している。AGENTIC STARとは、どのようにすみ分けるのか。
上原氏は「われわれはマルチAI戦略を取っている」「今後、クリスタルとの連携も協議する」と説明する。機能面での差異については「そもそも思想が違う。これから出てくるものを楽しみにしていただければ」と述べた。
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