Anthropic、「エージェントチーム」搭載の「Claude Opus 4.6」リリース
米Anthropicは2月5日(現地時間)、高度な推論とコーディング能力を備えた「Claude Opus 4.6」を発表した。同社の最上位モデルとなるOpus 4.6は、昨年11月リリースの前モデル「Claude Opus 4.5」と比較して、コーディングスキルや複雑なタスクの計画能力が大幅に向上しており、自律的遂行能力の進化が最大の特徴だ。
特に経済的に価値の高い知識労働タスクを測定するベンチマーク「GDPval-AA」では、前モデルを190ポイント上回るスコアを記録し、米OpenAIの「GPT-5.2」などの競合他社モデルを上回る性能を示している。
同社は注目すべき新機能として、開発環境「Claude Code」内で利用可能な「Agent Team」を紹介した。これは、複数のAIエージェントがチームとして連携し、人間の介入なしに並行して作業を進める仕組みだ。例えば、あるエージェントがコードの実装を行っている間に、別のエージェントがドキュメントの整備やコードレビューを行うといった分業が可能となり、複雑なソフトウェア開発や大規模なプロジェクトを自律的に遂行させる上で大きな威力を発揮するとしている。
また、Opusクラスのモデルとしては初めて、コンテキストウィンドウが100万トークンまで拡張された(β版)。これにより、膨大な量のドキュメントやコードベースを一度に読み込ませても、context rot(コンテキストの断片化)と呼ばれるパフォーマンス低下を起こさずに、埋もれた情報を正確に抽出することが可能になったという。さらに、会話が長くなった際に自動的に内容を要約してコンテキストを整理する「Context compaction」機能も導入され、長期間にわたるタスクでも制限に達することなく継続的な作業が行える。
外部ツールとの連携機能も強化されており、特に米Microsoftの「PowerPoint」との接続が「Claude in PowerPoint」(リサーチプレビュー)として提供される。これは、Excelで分析したデータを基に、企業のブランドガイドラインやテンプレートに沿ったプレゼンテーション資料をAIが自動で作成・編集するというものだ。デスクトップアプリの「Cowork」機能を使えば、指定したフォルダ内のファイルを直接読み書きしながら、複数の成果物を同時に作成するといったマルチタスクもこなせるようになる。
Anthropicは、これらの機能が特に正確性と深い推論が求められる金融業界の専門家にとって有用だとしている。投資銀行やプライベートエクイティのアナリストが行うような、企業の財務分析やデューデリジェンスといった複雑な業務で、大量の資料調査から精度の高い一次ドラフトの作成までをAIがサポートすることで、業務時間を大幅に短縮できると説明。SEC提出書類の分析ベンチマークなどでも、他社モデルを圧倒する高いスコアを記録している。
安全性に関しては、知能の向上と並行して厳格な対策を講じたとしている。同社の評価によると、Opus 4.6は欺瞞や誤った情報の助長といった整合しない振る舞いの発生率が低く抑えられており、同時に無害な要求を誤って拒否する過剰拒否の頻度も歴代モデルの中で最も低いという。また、コーディング能力の向上に伴うリスクに対処するため、サイバーセキュリティ分野での悪用を防ぐ新たな監視手法を導入する一方、ソフトウェアの脆弱性を発見、修正する防御的な用途での活用も推進しているという。
Claude Opus 4.6は、同日よりAPIおよびClaude.aiで利用可能となっている。標準の価格設定は以前と変わらず、入力100万トークン当たり5ドル、出力25ドルだが、20万トークン超のプロンプト利用時はプレミアム価格(入力10ドル/出力37.50ドル)が適用される。なお、「Claude in PowerPoint」や「Cowork」などの一部の新機能は、現在「Max」「Team」「Enterprise」の有料プランユーザー向けにリサーチプレビューとして提供されている。
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