2025年も終わりに近づきました。筆者は25年中、毎日本の情報を調べて、週1回の図書館を利用しながら、毎月ジュンク堂書店池袋本店に通って新刊本をチェックして、年間200冊の読書量(AI本以外も含む)をこなしました。そこでこの1年間、日本ではAI関連の本でどんな本が売れて話題になったのか調べてみました。結果をイラストにまとめるとこうなります。
どうしてこうなった。25年に発売されたAI本を調べた結果から説明していきます。
「2025年に発売したAI関連の本」は、以下の定義とします。
調査は、全て手作業で行いました。生成AIツールで単語別の検索と集計ができないためです。さらに「AI」でタイトルを検索するとAIと無関係な本も多数含まれるため、目視で確認して除外しました。タイトルにAI関係の単語が含まれる「AI本」の発売数はこちらとなります。
まずは「AI」を含む本が非常に多いですが、これは「AI」に加えて「生成AI」「ChatGPT」など他の単語が含まれる本もカウントされています。この点を考慮しても、さまざまなジャンルで多数のAIに関する本が発売されています(「AI時代の〇〇」のような強引にねじ込む本もありますが)。
続いて「生成AI」「ChatGPT」と続き、順当な順位です。Copilotは34冊と多いですが、WindowsやOfficeやGitHubなど、関連製品による解説書も含まれます。半導体は29冊で25年の話題性を感じさせます。
25年はAIエージェント元年と言われますが出版された本は少なく、LLM(大規模言語モデル)と同じ16冊でした。出版までに時間がかかる点や、詳しく書ける著者が限定されるなどの背景が予想されます。
Claudeの13冊は開発系の技術書が多いです。Geminiは11冊でChatGPTの69冊から大きく離されており、テレビCMなどで知名度は高そうな印象ではあるものの、Claudeよりも少ないです。テレビCMなどで知名度は高そうな印象ですが、本は少ないです。続いてノーコード開発ツールのDify、デザインのCanvaが続きます。
NotebookLMは24年6月から提供されていますが、本は3冊だけです。しかし26年1月に3冊発売される予定なので、話題になるのはこれからでしょう。クラウド関連はAWSとAzureで技術書や資格試験対策本があるものの、Google Cloudはありません。
その他には中国製生成AIであるDeepseekが1冊だけ。中国製生成AIは他にもManusなどを含めてSNSで話題性があるものの、出版では印象が薄いようです。他の生成AIツールであるGensparkやFeloなども書籍は発売されていません。25年12月時点で話題が豊富な画像生成・編集AIのnano bananaの本は未発売です。8月26日に発表されており、26年以降における発売予定もありません。
次はタイトルに「AI」を含む本を掘り下げてみます。
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