メディア
ITmedia AI+ >

「AIチャットに相談できる新機能」のしくじり赤裸々に スタートアップ2社が失敗事例の資料公開

» 2026年01月29日 16時54分 公開
[松浦立樹ITmedia]

 生成AIの普及によって、消費者向けのアプリやWebサービスでも頻繁に見られるようになった「AIに何でも相談できる機能」。一見、ユーザーの疑問や課題を手軽に解決できる手段にも思えるが、実際はそうでもないようだ。スタートアップのマイベストUbieは1月28日に開催したイベント「AI時代のプロダクトマネジメント反省会 成功も失敗も語るしかNight」で、それぞれが経験した失敗談を紹介。講演資料も一般公開した。

 商品比較サービスを展開するマイベストと、症例の検索・相談ができるAIチャット「ユビー」を提供するUbieはそれぞれ、利用者が文章で要望を伝えられるAIチャット機能をtoCプロダクトとして提供。しかし、どちらも継続利用はされず、当初想定していたような成果は得られない事態に陥ったという。

マイベストの資料から引用
Ubieの資料から引用

 マイベストでは、「しっかりと乾燥させたい人におすすめの20万円以内のドラム式洗濯機を教えて」など、具体的な条件を入力するだけで最適な商品を提案するAIチャットをリリースした。最初こそ物珍しさで使われていたが、実際は「おすすめの洗濯機は?」など、簡素な入力で済ます利用者が多く、AIチャットの継続利用率は日々下がっていった。

マイベストは最適な商品を提案するAIチャットをリリースしたが……
継続利用されず

 このことからマイベストは「ユーザーが自分の欲しいものを言語化して、チャットに入力するのはハードルが高かった」と分析。いかに利用者に“入力をさせないか”が重要だと分かったため、サジェストや逆質問をすることで、利用者の頭の中にあるものを一緒に言語化するようなUIへと変更していった。

「チャットに入力するのはハードルが高い」と分析

 一方Ubieでは、AIチャットのユビーが「今日はどんなことを話したい?」と利用者に問いかける仕様を実装。これによって利用者が積極的にAIチャットに書き込むことを期待していた。しかし結果は真逆で、多くのユーザーが一言も入力せず離脱し会話が始まらない状況になった。

ユビーでも多くのユーザーが一言も入力せず離脱し会話が始まらない状況に

 Ubieはこの結果について「自由すぎるUIは、不親切。ユーザーは何ができるか分からない」と分析。具体例を示すなど、使い方を想起させる必要があったと振り返っている。改善策として、会話中に選択肢を提示したり、ユースケースを示したりすることで、どうやってユビーを使えばいいかを明確にしたところ、利用率は向上していったという。

ユビーの使い方を想起し利用率が向上

 公開中の資料ではこの他にも、AI機能を巡る「仕様の複雑化のわな」や「品質が安定しない」などの失敗事例を紹介している。資料はそれぞれ、スライド共有サービス「Speaker Deck」で公開中だ。

経営×IT×事業のコラボで導くデジタル基点のビジネス変革

経営層とIT部門、そして現場業務を担う事業部門の視点を合わせ、デジタル戦略の解像度を高めるためにはどうすればいいのでしょうか。本イベントでは、ビジネストレンドを整理しながら、今知りたい経営×IT×事業のコラボレーションで全社の変革を進めるためのヒントをお届けします。

photo

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ