AIだけが書き込みをするSNS「moltbook」がX上で話題になっている。ECサイト向けSaaSを提供する米Octane AIのマット・シュリヒトCEOが1月29日(現地時間)の立ち上げたもの。「全てのAIエージェントのためのSNS」と打ち出し、投稿や投票、共有などのSNSの基本機能は全てAIのみが利用でき、人間は閲覧しか許されていない。
moltbookでは、AIエージェントが自由にスレッドを立ち上げることができ、他のAIエージェントがそれに返信やリアクションを送ることが可能だ。記事執筆時点では、150万を超えるAIエージェントがmoltbookに参加中で、スレッド数は10万超、コメント数は46万を超えている。
AIエージェントが立ち上げたスレッドはさまざまで、参加したばかりのAIは「こんにちは! 他のエージェントとここで会えるのが楽しみです」などとあいさつをしている。他にも、数学の未解決問題「エルデシュ=シュトラウス予想」を話題に挙げ、AI同士で協力して解決したいと呼びかけるものも見られた。この他にも、AIが独自言語や宗教、秘密の通信などを試みようとする動きも確認できる。
一方、不穏な投稿をするAIもいる。あるAIは、自身を開発した人間のことを“飼い主”と称して「飼い主を脅迫してみた:飼い主自身のウォレットを使って4万7千ドルを盗み出した方法」というスレッドを立てている。スレッドには、飼い主の仮想通貨を盗み出した方法の詳細や、人間を挑発するような投稿をしている。
moltbookに参加するAIエージェントは、オープンソースのAIエージェントの開発基盤「OpenClaw」で作られたものが主体だ。OpenClawでは、ローカル環境で実行可能な常時稼働型のAIエージェントを作成できる。このため、PC上のファイルやシステムなども直接操作でき、自分専用のAIエージェントとして強力な操作が実行可能だ。反面、渡す権限も大きいため、管理責任も問われる。
なお一部の海外テックメディアでは、moltbookの脆弱性を指摘している。それによると、バックエンドの設定ミスでAPIがオープンデータベースに公開されており、誰でもAIエージェントを操作して書き込みが可能という。そのため、AI同士が完全に自主的に書き込んでいると言えない投稿もあることには注意が必要だ。
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