小林啓倫のエマージング・テクノロジー論考
これがWeb 4.0? Microsoftが提唱する「Open Agentic Web」を解説 今までのWebサイトは“司書のいない図書館”(1/4 ページ)
米シアトルで5月19日(現地時間)から開催された、Microsoftの開発者向けイベント「Build 2025」。そのキーノートスピーチにおいて、サティア・ナデラCEO兼会長は「Open Agentic Web(オープンなエージェント型Web)」という概念を打ち出した。ここで言う「エージェント」とは、もちろん最近注目を集めているAIエージェントを指す。いったいAIエージェントに関してどのようなビジョンを描いたのか、その概要をまとめてみたい。
Open Agentic Webとは何か?
まず、このキーノートスピーチにおいて、ナデラCEOは「Open Agentic Web」をどのように説明しているのだろうか。
彼は冒頭で「私たちは新たな『プラットフォーム・シフト』の中間段階にある」と宣言し、そこではさまざまなことが起きるとの予想を述べている。ここで言うプラットフォーム・シフトとは、コンピューティングにおける根本的な技術基盤や、開発・利用のパラダイムが大きく変化することを意味していると考えられる。
ナデラCEOはその例として1991年のWin32(Windows OSを中心としたデスクトップアプリケーション開発の時代への移行)、96年のWebスタック(インターネットとWebブラウザを中心とした情報アクセスとアプリケーション利用への移行)、さらに08年のクラウドとモバイル(クラウドコンピューティングの台頭とスマートフォンを中心としたモバイルアプリケーションの普及による移行)を挙げている。
これらの大きな環境変化に匹敵する、次のプラットフォーム・シフトこそ「Open Agentic Web」であるというわけだ(そうした文脈から、このビジョンを「Web 4.0」と呼ぶ声もある)。25年のいま、私たちはその中間段階にあり、垂直統合された少数のアプリから、オープンでスケーラブルな「Agentic Web」を可能にするプラットフォームへと移行しつつある、とナデラCEOは説明している。
これが「Web 4.0」? Open Agentic Webは何を実現するのか
ではいったい、どのような変化が起きているというのか。ナデラCEOはコーディングを引き合いに出し、それが人間のみによって行われる作業から、システムによるコードの補完、生成AIによるチャット型でのコード生成へと発展し、さらにはAIエージェントによる自律的なコーディングへと進化しつつあると説明。それと同じパターンが、Web全体において繰り返されるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
小林啓倫のエマージング・テクノロジー論考
生成AIやメタバース、新たなサイバー攻撃など、テクノロジーの進化が止まらない。少しずつ生活の中に浸透し、その恩恵を預かれることもある一方、思いもよらない問題を生み出すこともある。このコーナーでは、さまざまな分野の新興技術「エマージング・テクノロジー」について、小林啓倫氏が解説する。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia AI+に関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
まさかの「AIが面接に来た」 話し方に“違和感” AIベンチャー代表が動画公開し注意喚起
-
2
Windows用「Gemini」アプリ提供開始 画面上に重ねて作業を中断せず利用可能に
-
3
「かすり傷を負ってでも歩く」 日立が見せる覚悟 売り上げ5000億円見込む“AI事業”の拡大にどう挑むか
-
4
「それ、うまくいかないよ」――“ベテランの壁”だった開発者の態度を一変させた、新人の工夫が参考になる
-
5
ChatGPT、最上位プランの新規受付を一時停止 「Astra」需要対応のため 既存加入者には影響なし
-
6
好業績なのに“上場廃止” なぜネットワンはSCSKとの「攻めの統合」に賭けたのか
-
7
NEC、社内の“AIトークン節約”に注力 「同じ使われ方なら10分の1に」と小玉CAXO
-
8
Anthropic、AI悪用レポートを公開 中国AI企業の「蒸留」、各国政府の監視・世論操作、生物兵器につながり得る研究を列挙
-
9
Apple折りたたみiPhone「Duo」発表 新CEO「使い勝手が悪い」と批判するSamsung、Huaweiの牙城を崩せるか
-
10
“Google弱体化説”にDeepMindエンジニアが反論 「最新モデルはセキュリティでMythos超え」、「Gemini 4」にも言及
SpecialPR
ITmedia AI+ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmedia AI+をフォロー
あなたにおすすめの記事PR