ミスリードする人には近づかず、“耳障りな人”に近づくアラフォー起業家の“継続拡大”人脈術

人から指摘されたことがズバリ当たっていると、一瞬不快になり、その人を逆に遠ざけてしまうこともある。でも、本当にそれでいいのだろうか?

» 2009年08月05日 13時42分 公開
[加藤恭子,Business Media 誠]

 ネットでも、リアルの世界でもそうだが、ミスリードしてくる人というのはいる。例えば、ブログで事実とは異なる意見を主張する人。それはその人の自由なので、そのままにしておけばいいのだが、困るのはそういった意見に引きずられてしまうことだ。

 私の場合「この人、ずれているな」と思ったら、距離を置く。例えば、いまだに「プレスリリースはとにかく大量に送りつければいい」と主張するような人たちだ。そんなことをすれば、記者を不快な気分にさせるだけでなく、最終的には嫌がられてしまう。

 ちなみに「ずれている」と「考え方が異なる」というのは違う。ここで言う「ずれている」というのは、むやみに参考にすると目的と異なる結果にたどりついてしまうアイデアのことだ。

 逆に近づきたいのは、説教をしてくれるような人たちだ。誰でもほめてくれる人と話すのは気持ちがよいので、ほめてくれる人には近づこうとしなくても自然と近づく。でも苦言を呈してくれる人はどうだろうか?

 会社が傾くときや不正が起きるときに、社長の周りにはイエスマンしかいなかったということを聞く。人間関係でも、おべっかを使って寄ってくる人で周りを固めたら、自分の進歩も止まってしまう。

 励ましてくれる人も大事だが、親身にお説教をしてくれたり、間違っていることを教えてくれたりする人も大事だ。

 気をつけなくてはいけないのは、お説教やアドバイスに見せかけながらも、こちらをねたんで反論してくる人や、悪気はないのにネガティブな情報ばかりを吹き込んでくる人だ。例えば、6割はうまくいく可能性があるものに対して「4割の失敗例」を細かく説明してくれる人などだ。これは親身なお説教とは違う。また、親身なお説教に見せかけながらのミスリードもある。

 ぜひ、改善してこなかった欠点や、つい見落としていたことを指摘してくれる人との付き合いを強めていきたい。

 ただ、あまりに指摘されたことがズバリ当たっていると、一瞬不快になり、その人を逆に遠ざけてしまうこともある。それでは本当に自分にとって必要な、重要な人が遠ざかってしまう。なかなか難しい。

 人からカチンと来るようなことを言われたら、それが当たっているからカチンと来たのか、改善したらよくなるのか、それともそれは単なる批判だったり、間違ったアイデアの押し付けなのかをじっくりと考えてみる。そうすることで、あなたにとって本当に助けとなる人を見つけることができるはずだ。

著者紹介:加藤恭子(かとう・きょうこ)

 IT誌の記者・編集者を経て、米国ナスダック上場IT企業の日本法人にてマーケティング・広報の責任者を歴任。外資系企業ならではの本社へのリポートの方法や、離れた地域にいる国籍の違う同僚とのコミュニケーションを通じて、効率よく実施する仕事のノウハウを高める。現在は、その経験を生かし、IT企業・組込み系システム企業のマーケティング・PR(広報)のコンサルティングを行うビーコミの代表取締役として活動。日本PR協会認定PRプランナー。

 日経BP社、翔泳社、アイティメディア、ダイヤモンド社、アスキーなどで連載や記事も寄稿。インターネットを活用したコミュニケーションも研究しており、複数の学会などでブログコミュニケーションやネットPRに関する発表をしているほか、「CGMマーケティング」(伊地知晋一著、ソフトバンククリエイティブ刊)の編集協力も務めた。青山学院大学国際政治経済学研究科修士課程修了。現在は某大学院の博士課程に在籍し、引き続きコミュニケーションを勉強中。


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