2010年版の「超」整理手帳には、バーティカルタイプの製品が初登場。蛇腹式シートを縦に開くと、旧来のユーザーも初めて手に取った人も、ある種の既視感にとらわれるはずだ。
前回は、「超」整理手帳エレファントA5を紹介した。今回は、「超」整理手帳バーティカルについて。こちらは以前から、考案者の野口悠紀雄さんのWebサイト「ノグラボ」や一部の店舗などで販売していたようだが、2010年版から“正式ラインアップ”となった製品だ。そしてこのバーティカルでは、スケジュールシートのデザインを変更することで、それまでとは違う新しい世界を開いた製品だと言える。
バーティカル式は綴じ手帳で人気のあるレイアウトだ。見開きページの横方向に1週間の日付を配置し、縦方向に時間軸を配置することで、1週間の空き時間を一目で把握できるこのスタイルの手帳は、ここ数年で人気が定着している。元祖たるクオバディスの製品をはじめとして、各社がさまざまな製品を発売している。
2010年版の「超」整理手帳には、この考え方を取り入れたバーティカルタイプが書店でも買えるようになった。それまでの日付の並びは、横方向に開くスケジュールシートに対して縦一列に、上から月、火、水……と曜日が配置されていた。
新しく登場した『「超」整理手帳バーティカル』(以下バーティカル)では、このレイアウトを一新。スケジュールシートを90度回転させたときに、日付が横方向に並ぶ。
蛇腹式シートを縦に開くと、旧来のユーザーも初めて手に取った人も、ある種の既視感にとらわれるはずだ。日付が横に並び、週が縦に並ぶことで、スケジュールシートがまるでカレンダーのように見えるのだ。カレンダーとの違いは月曜始まりであることだが、週休2日が定着している現在、こちらのほうがむしろ自然に感じられるだろう。
蛇腹式の手帳は珍しくはない。それらのほとんどは、横方向に広げることで時間の連続性の中でスケジュールの一覧性を確保していた。
ところがバーティカルでは、あたかもカレンダーを縦方向に連続させたようなスタイルになっている。これは過去にほとんど例のないスタイルであり、しかもカレンダーに似ている点で、それまで「超」整理手帳になじみのなかった人にも違和感をあまり感じさせないスタイルでもある。
用紙の色やデザインも一新している。「超」整理手帳スタンダードでは、紙そのものがクリーム色であり、日玉(日付のフォント)は平日がオレンジ、土曜日はチャコールグレー、日曜日は緑色だった。
バーティカルではこれを一新し、紙の色は白だ。また、日玉も平日は黒になった。また、左端にはミニカレンダーが用意されるなど、一般的な手帳に近づいている。また、既存の手帳のポイントをよく研究した上で取り込み、細かな改良がなされている。
こうやって見ていくと、バーティカルはエレファントとは別の意味で、ハードルが低くなったバージョンであると言える。
製品内容だけで見れば、バーティカルとスタンダードの違いは、スケジュールシートのみだ。だが、この違いが手帳としての開き方だけでなく、時間のとらえ方にも影響を及ぼすであろうことは間違いない。ちなみにこのバーティカルのアイデアも、ユーザーのコミュニティから生まれたものだという。
綴じ手帳のバーティカル式の考え方を取り入れることで、結果的にはそれまでの「超」整理手帳(スタンダード)とは違うスタイルを手に入れた。「超」整理手帳バーティカルは、A4四つ折りという、同製品独自のプロポーションの中に生まれた新しいスタイルなのである。
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