最近「EvernoteでGTD」という話題が盛り上がっていますが、これまでほかのツールでGTDを行ってきた人たちにとってはEvernoteという新しいツールを使うことで、タスクの一元化ができなくなる懸念を感じる人もいそうです。
最近「EvernoteでGTD」という話題が盛り上がってきています。Evernoteは柔軟な分類機能を持っていますし、チェックリストの入ったノートを抽出する優れた検索機能もあるから、GTDを実践するのに便利なのでしょう。
ここでちょっとした問題になるのが次のようなケースです。タスクをRTM(Remember The Milk)で管理したかと思ったら、同時にGoogleカレンダーを使ってみたり、なおかつGmailタスクも併用し、その上『モレスキン「伝説のノート」活用術』(ダイヤモンド社)のような本を読んでしまって、GTDをモレスキンでも実践したくなった場合です。いったいどうしたらいいのでしょうか。
単純に理想を言えば、そういう風にツールをバラバラと使わず、すべてのタスクを例えばRTMに一元化すればいいのです。しかし、実際にはそういうわけに行かないことの方が多いもの。そもそも会社がセキュリティの問題にうるさくて、会社のタスクを社外では管理できないようにしているかもしれません。従って、タスクリストを1つにまとめられるのは、よほど恵まれた環境にある人だけということになりがちです。
そこで、複数のタスク管理ツールを使うという前提でタスク管理を考えてみましょう。この場合のもっとも現実的な解決策は、以下の通りです。
これだけでもしておけば、あるプロジェクトを終わらせるためには、統一したプロジェクト名にぶら下がっているすべてのタスクを完了させればいいということになります。複数のタスク管理ツールを使っていても、プロジェクト名が同じなのでツールを横断してタスクをこなしていけばいいのです。
例えば、EvernoteとRTMのプロジェクト名を統一しておけば、同じプロジェクト名にあるタスクでやり残しがないかどうかを、該当プロジェクトの処理中にチェックしていけばいいことになります。
ただ、自分がどの管理ツールを使っているのか忘れないようにするため、もっともよく使っている管理ツールに「Evernoteのタスクをチェック」とか「RTMのタスクをチェックする」という項目を入れておく必要が出てきます。
言うまでもなく、多くの管理ツールを使っていればいるほど、この操作は煩雑(はんざつ)になりますから、たとえ全体としては4〜5つの管理ツールを使うとしても、
ようなルールは必要でしょう。
心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。
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