制約がいいのだ――Dropbox対SugarSyncあなたの不安、見積もります

Dropbox対SugarSync――。いろんなフォルダを同期できるSugarSyncのよさもありますが、Dropboxだって捨てたものじゃありません。筆者はどちらを選ぶのでしょうか。

» 2010年11月19日 19時05分 公開
[佐々木正悟,Business Media 誠]

 クラウド化といわれている現在、すでにいろいろなオンラインストレージがあります。おそらく比較すれば、どれにも一長一短があるでしょうが、わたしは「Dropbox」を使っていて、依然としてDropboxの使い勝手に惚れ込んでいます。

 Dropboxに比べて「SugarSync」の方が高機能だと言われることがよくあります。例えば先日、SugarSyncの無料で使える容量が2Gバイトから5Gバイトに増えました。またSugarSyncはなんと言っても同期するフォルダをいかようにも選べるという大きな利点があります。つまり、デスクトップやMy Documentsなどの任意のフォルダをそのまま同期の対象に選べるわけです。

 Dropboxだと、これはできません。かなり凝った方法を使うと、似たようなことができますが、誰にでもできるやり方ではありません。しかしそれがいいのです。だからこそ絶対、あらゆるファイルをDropboxフォルダ以下におくようになります。

 そもそもわたしにとっては、無料で使える容量が2Gバイトでも5Gバイトでもあまり違いはありません。どちらにしてもそれではまったく足りないのです。現在使用している容量は、81Gバイトあります。

 好みの分かれるところではありますが、Dropboxの良さは単純さにあると思います。「同期」というのは単純な課題のようで、その実、やっていることは複雑です。

Dropboxは特定のフォルダしか同期しない
SugarSyncは同期するフォルダを複数選べる

 自分1人で使っている場合でも、変な時間差が生じると、デスクトップパソコンAのファイルと、ネットブックBで編集したファイルの、どちらが最新であるか、自分でも分からなくなるということがあります。

 わたしがDropboxを使っていて特に安心できるのは、妙に同期速度が速いところです。「変な時間差」が生じるのは、同期に時間がかかるからということが多いのですが、Dropboxではこれに遭遇しません。個人的に同期には不安を持っているので、極力1つのパソコンでファイル処理が完了するまでは、他のガジェットを開かないようにしています。

 SugarSyncの機能が低いというわけではなく、むしろ高機能なのですが、そのためちょっと敷居が高くなっているということです。フォルダを一元化しなくても使えるSugaySyncは、一見初心者向けのように思えますが、実は上級者向けなのではないかと思います。

 個人的には、少しお金を出してDropboxの容量を増やし、何でもかんでもDropboxフォルダの下に置いておいた方が、使い込んでいった後に悩まずにすむと思っています。

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筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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