連載
» 2012年02月01日 11時00分 公開

説明書を書く悩み解決相談室:地道な努力を継続できない人のための「書く力」上達術 (1/2)

どんなスキルを身に付けるときにも「上達したいという動機がある」ことが不可欠と話したのが前回の話。今回は後編として、分かりやすい文書が書けるようになるまでに必要な3要素を紹介します。

[開米瑞浩,Business Media 誠]

 「説明書を書く悩み解決相談室」第13回です!

 「不言実行」を美徳のように語っていたのは昔の話。最近では企業が新卒者に求める能力の上位に「コミュニケーション能力」が挙がることからも分かる通り、現代のビジネス環境では、誰もが分かるように説明して回らなければ仕事が進みません。しかし実際には、複雑な情報を分かりやすく書くことを本気で練習したことがなく、その結果苦手意識を持ってしまっている人が少なくないのも現実です。

 単にやったことがないだけのことなら、本腰を入れて取り組めばそれほど時間も掛からずはっきり目に見えて上達が見込めるのですが、そうは言っても本気でやってみるのがなかなか難しいのが困りもの。こういうときに「根性がない!」系の精神論をぶつけても役に立ちませんので、この際、協力プレイでゲームを攻略するかのように、仲間と楽しみながら勉強できる方法を工夫した方が良いでしょう。

 前回書いた通り、ここからは、

  • 数人程度のチームの1人として仕事をしている
  • 説明書を書くのは苦手だけれど、少しでも上達したい
  • でも、1人でコツコツと地道な努力を続けられる自信はない

 そんな人のための書く力上達作戦を紹介します。

目標と仲間と支援者を見つけること

 書く力に限らず、どんなスキル取得にも一般的に言えるのが、上達するためには目標学び合う仲間支援者の3要素が重要ということです。

 目標は、リアリティのあるものでなければなりません。リアリティにも2つの面があり、1つは「その目標に向かうことに価値がある」と思えるリアリティ。もう1つは「その目標に自分が到達できそうだ」と感じられるリアリティです。「俺には関係ねえ」とか「俺には無理だ」と思ってしまうような目標では、役に立たないということです。この話は後でまた触れます。

 次に学び合う仲間です。人間は1人で地道な努力を続けることは難しいものなので、できるだけ社内で同僚を巻き込みましょう。口を開けば仕事の愚痴や他人の悪口しか出てこないような同僚は難しいですが、普通に仕事ができる人なら、真剣で前向きなプランには耳を貸してくれるはずです。

 仲間がいた方がいい理由の1つは、単純にその方が楽しいこと。ふと、あるアイデアを思い付いたけれど、我ながら自信がない……。そんなときは「それ、いいね!」と一言もらうだけで安心しますよね? この安心感は1人で黙々とやっていても得られません。ぜひ気の合う同僚を巻き込みましょう。

 また、もう1つの理由は「他人に説明しようとすることで、頭がよく働くようになる」からです。中途半端に分かっている知識は、答えは自力で出せるけれどなぜそうなるのかを人に説明することができないことがよくあります。他人がいるとそれを説明しなければならなくなるため、「よく考えて、よく理解する」ことを強いられるわけです。この効果も非常に大きいので、書く力の向上を目指す仲間を1人2人で構わないので集めてください。

 3つ目は、支援者です。支援者として望ましいのは職場の上司。部下が書く力を身に付けてくれるのは、上司にとってこそ大いに助かるものです。それを自発的に学ぼうとしている、という姿勢を見せて「頑張れよ!」とか「おお、期待してるぞ!」と言ってもらいましょう。これは、目標にリアリティを感じるための手段の1つでもあります。

 人は、自分が属する組織に歓迎されない活動はなかなか継続できません。例えば「同僚のA君とこれから15分間、書く力の勉強会をやります」と言ってみて、「そんな暇があったら仕事しろ。仕事!」と怒られるようなら、やる気はなくなりますよね? 逆に「そりゃいいね!」と言ってくれたら、その一言だけでも10倍やる気が出るというものです。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ