上司力とはどのようなチカラなのか? 3つの要素を紹介する若手社員のうちに学びたい、「上司力」入門(3/4 ページ)

» 2012年11月01日 11時00分 公開
[吉田実,Business Media 誠]

デコボコ職場が常識の時代

  • メンバーは、お互いの「やりたいこと」を知らない
  • ほとんどのメンバーが受身でだらだらと仕事をしている
  • 組織の風土にメンバーの活躍をたたえるような雰囲気はない
  • 出る杭が打たれる風土があり、個人が頑張っても仕方がないと思っている

 これらの事象に当てはまる項目が所属組織にあると思った人は、皆さんの職場が無機質な職場になっていないか、確認していただきたい。日々、与えられた仕事を、一生懸命に淡々とこなすことが目的になっている危険性がある。

 人が成長する時とはどのような時か。何かを達成して喜んだり、できなかったり失敗して悔しがったり、さまざまな荒波を乗り越えることで人は成長していく。波ひとつない海で、日々、1人たたずんでいても、ほとんど成長することはない。壁にぶつかり、壁を乗り越えていくことで人は成長していくのだ。

 また、新たな価値を生み出す職場とはどのような職場なのか。これからの時代は、益々、多様性の時代になってくる。個性を持った多様な人が交わることで、新たな価値を生み出していくことが必要とされる。与えられた仕事を黙々とこなしているだけでは、機械と何も変わらない。人は機械ではない。人は、人らしく、人にしかできない仕事をしていかなければ、付加価値を生み出せない無機質な人になっていってしまうだろう。

 多様化の時代において、一人ひとりの能力が生かされ、成長し続けていくためのキーワードのひとつに「感情」がある。人の感情と感情がぶつかり合う中で、新たな価値が生み出されていくのだ。

 これからの上司に求められてくる2つ目の要素が人に対して「ゆさぶる力」である。安定ではなく、適度な揺らぎをもたらすことが必要とされてくる。「感情」を出しながら、その人らしさを発揮させることを可能にする力だ。これは、人に対してむやみに感情的に叱るようなことを言っている訳ではない。変化を生み出すための「葛藤」を引き起こすことができる力であり、この力を持つことが、多様化する「デコボコ職場」が彩りを放ち、価値を生み出す職場にする大きな力になってくるのである。

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