ここで1つの調査データを紹介したい。シェイク社が2012年6月に社会人1038人(社会人1〜24年目)に対して、志とリーダーシップの関係について調査した結果がある。仕事において“志”があると回答した人は484人(46.6%)、“志”に覚悟を持っていると回答した人は227人(21.9%)、会や組織、他の人のための“志”であると回答した人は27人(2.6%)――という調査結果が出た。
そして、この“志”があると回答した人は、他の人に比べて、圧倒的に自信があり、リーダーシップを発揮し、イノベーション的な仕事を自ら仕掛けている傾向が高いという調査結果が出ている。また、そういった人は、管理職になりたいと考える比率も高い。
最近、管理職になりたくない人が増えている。責任ばかりが重く、苦労させられるからだ。そのような人に「管理職を目指せ」と言っても管理職を目指したいと思えない。大切なのは「どうしたいのか」「何を成し遂げたいのか」を考えることである。そのようなことを考えていくことが、志を磨き続けることにつながり、結果的に管理職になりたいという気持ちを芽生えさせるのだ。
改めて、「志」とは何なのか? その点を整理しておきたい。私は以下のように定義している。
(1)「自分」が行う意味・意義があるもの(原動力):自分の価値観を大切にし、自らを突き動かすもの
(2)「周囲」にとって意味・意義があるもの(利他):自分だけにとどまらず、周囲(組織・社会)が価値を感じるもの
(3)「成し遂げる」ことを決めているもの(覚悟):未来に向けて決意し、新たな一歩を力強く踏み出しているもの
これらの条件を満たすものだ。「原動力」「利他」「覚悟」の3つがキーワードである。
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