私が「意味が分からない」と言われた時は、次のように対応しました。
まずはやりたくない意思表示をする2人に向き合います。
「会社の人達がやらないのであれば、それはその場の状況判断なので、それでいいと思います。ただ、2人はこれから長いビジネス人生を送って行かなければならない。私たちは長い期間のことを考えて、最も厳しい基準でトレーニングをしています。2人はこれから、できるだ多くの人に認められていい仕事をしたいですよね」
ここで相手の反応を確認。
「それであれば、何年か後に今お伝えしているようなことを大事にする人とお会いして、仕事を進める機会があるかもしれない。その時に、今学んでいることができている人と、こんなのテキトーにやっておけばいいと思って流した人と、どちらがチャンスをもらえると思う? 私は、テキトーにやっている人は、チャンスをもらいにくいと思うし、これからますます厳しいと思う。簡単だと思うようなことでも、しっかりできる方が認められるし、カッコいいよ」と伝えました。
このように伝えたところ、最初は渋々取り組んでいた2人がテキトーにやっているあいさつの写真と、しっかりやっているあいさつの写真を撮り「ねっ、この方がカッコいいでしょ?」と、2人に確認してもらうと「なるほど!」と素直に喜んでいました。
その2人の反応から「皆と同じことをするのは何か照れくさい」「人から押し付けられたくない」ことへの反発だったのかもしれないと捉えました。
ここで私が留意した対応ポイントをまとめると、
です。
この中では「将来への影響を伝える」点と、「違いを自分で確認してもらう」点に特に重きを置きました。伝えるときに2人の表情を見ていましたが、表情が大きく変わったのもこの2点でした。伝えたことへの手応えが感じられると、こちらもほっとします。
余談となりますが、紹介した例の経営者も「頼まれたコピーを取ること」の目的やその人にとっての価値、経営者として何を期待し、どう判断しているかを伝えたそうです。それを伝えて以降は、しっかり取り組むようになったそうです。
「前は、こんなことを言う社員には(辞めてもらって結構)という気持ちでいたが、若い人たちを見ていると、悪気があって言っているわけではないから、今はしっかり伝えるようにしているよ。上司や先輩が伝えられるようになるといいけどね」と言っていました。
こんなことを言っている私も、新入社員時代は気が利かない社員でした。今思えば、上司や先輩は、「えっ、こんなことも知らないの」と言いながら1つ1つ教えてくれていました。今さらながら、感謝です。
新入社員と接して「気が利かない」と感じた時の対応のヒントになれば幸いです。
※この記事は、誠ブログの「ひといくNow! -人材育成の今とこれから-:なぜ新入社員は気が利かないのか?」より転載、編集しています。
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