世の中には、いろいろな不満を抱えながら仕事をしている人が多いです。
では、質問です。どんな環境だったらよいのでしょうか?
労働時間が長いという人は、では何時間であればいいのですか? 給料が少ないと嘆いている人は、いくらだったら「十分」と言えるのでしょうか?
仕事の内容について不満を持つ人も多いですね。仕事が単純、いまの職場ではクリエイティブな仕事が全然できないと不満を漏らす人もいます。
しかし、自分自身にとって、その「クリエイティブな仕事」とは何か、分かっていますか?
将来の安定がないと嘆くのは、まったく意味がありません。これからの時代、将来が安定している企業などありません。「安定」のトップだった公務員でさえ、年収が下がり、早期退職を募集している世の中です。これからリストラが進むことは間違いありません。「安定」などどこにもないのです。
このような状況の中で考えなければいけないことがあります。それは「自分は、どんな働き方をしたいのか?」です。
目的地を決めなければ、どこにもたどり着けません。経営でも、「目標」を定めなければ何も実現できません。まず、自分がどこに向かいたいのかを明確に定義しなければいけないのです。
本来は「給料を上げるためにはどうすればいいか」の前に、「そもそも給料はたくさん欲しいのか?」という質問に答える必要があります。
自分はどこを目指しているのか? どんな働き方をしたいのか?
これからの時代、労働者に1番必要な問いは、これかもしれません。
そして、この問いに答えることができたら、10年かけて自己内利益を黒字にしていくことを考えます。お伝えしてきたように、いますぐ黒字化を目指して報酬を換金してしまうと、将来大きく育ちません。
そこで、目標を決めたら10年かけて黒字にしていく、それまでじっくり育っていくことを考えます。「10年」というのは「それくらいの長期間で」という意味です。実際には「9年」でも「11年」でもかまいません。
短期間で手っ取り早く成し遂げようとしても無理です。10年間、腰を据えて取り組んでいかなければいけないのです。
自分が目指している働き方を明確にし、ハリネズミの概念でジャンルを絞ります。そして、「好きなこと」が「得意なこと」になるように、またその仕事で人の役に立ってお金がもらえるように自分を高めていきます。そうして、10年かけて自己内利益を黒字にしていきます。
10年かけて何かを成し遂げようとする人は少ないです。だからこそ、あなたは「代わりがいない人材」になれるのです。これこそが、労働者がこれから生きていくために本当に大切なことなのです。
(ずっと「安月給」の人の思考法=終わり)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.