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» 2013年10月10日 11時00分 公開

思うように人の心を動かす話し方:「お1人様3個までに限らせていただきます」の本当の意味とは? (1/2)

「先着100名様に限らせていただきます」「お1人様3個まで」――。だれでもこうしたうたい文句に弱いもの。ここには、文字通りの意味とは別のメッセージが存在している。人は、言葉の裏に隠れたメッセージで欲望を刺激されるものなのだ。

[榎本博明,Business Media 誠]

集中連載「思うように人の心を動かす話し方」について

 本連載は、榎本博明氏著、書籍『心理学者が教える 思うように人の心を動かす話し方』(アスコム刊)から一部抜粋、編集しています。

「お1人さま3個までに限らせていただきます」と言われて、つい列を作って並んだり、本当に必要でもないのに商品を3個も抱えてレジに走ったりしていませんか? 実はこれ「今買わないと損!」と思わせて、お客を殺到させたり商品に飛びつかせたりするための、人の心を操る心理テクニックです。

あるいは「話だけでも聞いてください」と言われて、最初はまったく買う気がなかったのに、気付いたらとんでもない買い物をしてしまった……なんていう経験はありませんか? これは“フット・イン・ザ・ドア”と言われる、思うように人の心を動かす心理テクニックの1つです。

はじめからお願いしたら到底受け入れられない法外な要求でも、いつの間にか受け入れさせてしまう魔法のフレーズなのです。

他にも「どうぞ、お座りください」「そうですか、では……」「お隣のAさんもBさんも」など、人の心をぐぐっと動かすキラーフレーズや心理テクニックは世の中にたくさんあふれています。

誰でもすぐに使えて効果絶大な心理テクニックを本書ではたっぷり紹介しています。ぜひあなたも試してみてください!


言葉の裏には、隠れたメッセージがある

「先着100名様に限らせていただきますのでお早目に」
 「お1人様3個までに限らせていただきます」

 だれでもこうしたうたい文句に弱いものである。つい列をつくって並んだり、本当に必要かどうかも分からないのに3個かかえてレジに走ってしまう。

 実はこのような文句は、文字通りの意味の裏に次のようなメッセージを流しているのである。

 例えば、前者は、

 「この品は100個しかありません(100人しか会員になれません、など)」
 「101番目以降の方には差し上げられません(早くしないと売り切れになります)」
 「100人以上が殺到するほど人気のある品です(お買い得です)」

 このようなメッセージを言外に伝えている。

 そして、後者は、

 「1人3個に限らないとすぐなくなってしまうほど人気があります(すぐに売り切れてしまいます)」
 「いくつでもほしいという人が出てくるほど人気があります(お買い得です)」

 このようなメッセージを、伝えているのである。

なぜ「買わないと損」という気持ちになるのか

 確かに「なるほど」と思わせる人気商品やお買い得商品もある。しかし、中にはよくその商品を知っている人からすれば、

「なぜこんなものに人が群がるのだろう」
 「どこでもこの程度の値段で手に入るはずなのだが」

 と首をかしげたくなるケースもある。にもかかわらず、お客は殺到し、現によく売れる。

 なぜだろうか。堂々めぐりになるが、それは買える人数や1人あたりが買える個数を制限したからである。

 本来その商品自体に人が群がるだけの価値はなくても、先に挙げたような言外のメッセージが人の欲望を刺激し、買わないと損との気持ちに駆り立てるのである。

 「本日だけのご提供」
 「20分だけのタイム・セール」
 「キャンペーン中だけのこの価格」

 といった類のキャッチフレーズも同じだ。

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