一流と凡人の違い――「あの人のようになりたい」と思われるか一流の働き方

なぜあの人の仕事は、いつもうまくいくのか? 一流は困難なときこそ楽天的である。「忙しい」は、二流の口グセ。「努力」は、他人に見せたときに価値を失う。仕事ができる人は、孤独を恐れない――頭角を現す人にはこのような条件を持っている。

» 2013年11月28日 13時00分 公開
[川北義則,Business Media 誠]

集中連載『一流の働き方』について

 本連載は、2013年11月26日に発売した川北義則著『一流の働き方』(アスコム刊)から一部抜粋、編集しています。

 なぜあの人の仕事は、いつもうまくいくのか? 一流は困難なときこそ楽天的である。「忙しい」は、二流の口グセ。「努力」は、他人に見せたときに価値を失う。仕事ができる人は、孤独を恐れない――頭角を現す人にはこのような条件を持っている。

 本書は、人気ベストセラー作家が「頭角を現す人」の究極の仕事術を39の条件にまとめ語り尽す一冊。あなたも「あの人のようになりたい」といわれる人間になろう!


 プロ野球選手としても、監督としても一流だった野村克也さんは、「一流とは何か」について、著書の中で次のように述べている。

 「自分のセールスポイントは何か、その裏にある欠点は何か。それを自覚しなければ一流への道はない」

 野球人としてだけでなく、一般のビジネスパーソンにも通じることだろう。単に与えられた仕事をこなしているだけでは、一流の働き方はとはいえない。大切なのは、常に「これでいいのか?」と疑うことだ。野村さんがいう「欠点を自覚すること」も、その1つだろう。

 「非一流」の人間の働き方は、常識や固定観念に縛られて、いつまでもそこから逃れられない。だが「一流」の人間は、頭が柔らかで創造力の幅も大きい。だから、常識などに縛り付けられることがない。

 非一流の人間にとって、一流の人の発想が理解しがたいのはよくあることだ。人は、自分が考えもつかないことや理解できないことに対しては、まず「否定」から入る。「無理でしょう」「できないでしょう」という常識だ。

 そして、それを考えた人間や理解できる人にも、「ありえない」「変わっている」という拒絶反応を示しがち。だから一流の人は、得てして「孤立」する。だが、真に一流の人間は「孤独」を恐れない。「孤独を恐れない気概」を身に付けているからだ。これが、一流とその他大勢とを隔てる要素である。

 いま「働き方」は大きく変わりつつある。

 会社や組織に属し、ただひたすらルーティンワークをこなしていれば生き残れるという時代ではない。日進月歩のテクノロジー化、経済のグローバル化の流れなどによって、どんな雇用形態で働くかの違いはあっても、自分でスキルアップをしていかなければ置いていかれる。

 また、高齢社会にあっては働く期間も延びる。労働時間においても定時に終わる仕事は少ない。「仕事人としての価値」が、これまでとは比較にならないほど問われる時代になるだろう。人より優れた能力と知識は必須である。同時に、会社という限られた範囲だけではなく、組織を越えた人間関係も必要になってくる。豊かな感性やフェアな精神もなければならない。

 「そんな理想の人間がいるか!」

 そう思われるかもしれないが、それこそが「無理でしょう」という否定の常識に縛られている証拠だ。だが、理想を目指して生きていくことが、一流への道なのである。「あの人のようになりたい」と思われるような範を目指す生き方である。

 「世の中で成功を収めるには、人から愛される徳と、人を畏怖させる欠点が必要である」(ジョセフ・ジューベル フランスの哲学者)

 「人から愛される徳」とは、自分を人に認めさせる能力のことだろう。「人を畏怖させる欠点」とは、周囲に流されたり同調せずに、自分の考えを貫き通すことではないか。つまり、「孤独を恐れない気概」を持つことだ。

 本連載は、これからの時代に生き残れる仕事人のあり方を「一流の働き方」と位置付けている。一流の働き方のために、まずは孤独を恐れないよう己の武器を見つけ、身に付けることだ。それが「あの人だからこそ」の魅力になる。

 次回以降は、本連載の基となった書籍『一流の働き方』で紹介している39の条件のうち、8つをピックアップして紹介していく(次回、「一流の働き方1:一流は対立を恐れない、逃げない」)。

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