日本シリーズを制するのは? 「昭和的な闘将」と「平成的な策士」に注目赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)

» 2016年10月29日 08時41分 公開
[臼北信行ITmedia]

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


広島の緒方監督は「昭和的な闘将」

 プロ野球の日本シリーズが盛り上がっている。パ・リーグ覇者の北海道日本ハムファイターズがセ・リーグの広島東洋カープに2連敗から3連勝を飾って対戦成績を3勝2敗とし、10年ぶりの日本一に王手をかけた。10月27日に札幌ドームで行われた第5戦は1点を先制されるも終盤で追い付き、9回二死満塁からに劇的なグランドスラムでサヨナラ勝ち。日本ハムが流れを一気に引き寄せた感がある。

 しかし29日の第6戦はマツダスタジアムで行われるだけに、追い詰められた広島にも地の利を生かすチャンスは残されている。何とか踏ん張って30日の第7戦(マツダスタジアム)に望みをつなぎたいところだろう。

 さて、その日本シリーズを取材している関係者の人たちから現場の生情報を耳にすると、両軍指揮官の性格が非常に対照的であることをひしひしと感じる。特にメディア対応の面で両者を比較してみた場合、それが顕著になって現れてくる。

 まずは広島を率いる緒方孝市監督。ひと言で言い表せば「昭和的な闘将」である。以前もこの記事で触れたことがあるが、ぶっきらぼうなところは大きくは変わっていないようだ(関連記事)。別に「悪い」と指摘しているわけではない。まったくメディアに対応しないわけではないし、試合後の囲み取材にも基本的にコメントする。

 ただ、そこには常にピリッとした緊張感が漂う。何より指揮官自身が、そういう空気をあえて作り出しているのである。ケース・バイ・ケースだがやや的外れな質問を投げかけられたり、自分の気に入らないことを聞かれたりした場合は少々横柄に思えるような態度を見せながら対応することがある。

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