土肥: フランスパンをつくることは簡単そうに見えて、簡単でないことは分かりました。味が大きく違ってくるポイントはいくつかあると思うのですが、その中でも人の手によって大きく違いが出るところはどこになるのでしょうか?
佐藤: ミキシング後の生地の「こねあげ温度」ですね。生地を混ぜるときは23〜24度にしなければいけませんが、外の気温が高ければ生地の温度も上昇する。ということで、この温度の中で作業することがものすごく難しいんです。
土肥: ん? それってそれほど難しいことなのでしょうか? (素人ですみません)。マニュアルに「23〜24度で作業をしなさい」と書いていれば、その温度内でやればいいだけ。外が暑ければエアコンの温度を低く設定して、生地の温度を下げればいいのでは?
佐藤: ご指摘のように、部屋の温度は一定にしなければいけません。ただ、外の気温によって部屋の温度は変化しますよね。一定していないので、小麦粉や水の温度も変えなければいけません。からみあっている状態なので、23〜24度のなかで作業をするのは簡単ではないんですよね。
土肥: フランスパンをつくるのが上手な人は、暑いときにはひと手間ふた手間加えて、規定の温度で作業をするということでしょうか?
佐藤: はい。暑いときには、水の温度を下げるときもあります。例えば、いつも20度の水を使っているけれど、今日は暑いので15度の水を使うといった感じですね。また、作業に時間をかけることはできません。生地はどんどん発酵していくので、いかに短時間に決められた温度で作業をするのもポイントになります。
土肥: 生地の「こねあげ温度」については、たくさんあるポイントのひとつですよね。そうなると、おいしいフランスパンをつくるには、やはり職人の技術が不可欠となる。なぜこのようなことを言うかというと、ドンクの場合、工場で生産したパンをトラックで運んで販売するといった形ではなくて、店内でつくっているから。
佐藤: 各店の職人が小麦粉から生地を仕込んで、成形して焼き上げるまでの全工程を行っています。
土肥: となると、やはり職人の技術がキモになる。ドンクは130店舗(全ブランドで191店舗)ほどあるわけですが、店を増やすには人がいなければいけない。どのような教育を行っているのでしょうか?
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