人手不足の会社が辞めたい社員を引き留めようとしても、「嫌なら辞めればいいじゃないか」と思う人もいるだろう。今の社会なら、辞める自由はあっても、辞めさせない権利などは存在しない。日本国憲法第22条にも「何人も、公共の福祉に反しないかぎり、居住、移転及び職業選択の自由を有する」とある。それでも、本人は辞めたいのに、会社が辞めさせてくれないという悩みを抱えている人たちが増えているのだ。
最近は「退職代行サービス」というビジネスまで生まれ、正社員は5万円、アルバイトは4万円を支払ってでも、退職の依頼をする人が増えているほどである。
実は筆者は、辞めたいのに辞めさせてくれない実態を解明するために、辞められない相談が増えた13年から14年にかけて、多くの当事者を取材した。明らかになったのは、辞められないのは単純に労働者が法律に無知なせいだけではない。辞めたいという社員に対し、上司や経営者が詐術、脅迫、暴言・暴力、洗脳など、ありとあらゆる悪質な手段を駆使して強引に辞めさせないようにしているからだった。
悪質な手口を分類すると、以下の5つである。
(1)説得を繰り返すなど洗脳的行為
(2)転職を妨害する(悪口の言いふらし・退職引き延ばし・懲戒解雇)
(3)脅迫的言葉を繰り返し吐く(身代わりの要求・損害賠償の請求)
(4)暴言・暴力を振るって怖がらせる
(5)自宅まで押し掛けるなどのストーカー的行為
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