もちろん実際は、会社側はあらゆる手口を使って辞めさせないようにしてくる場合もあるのは前述の通りだ。その場合は、第三者に相談してみよう。すでに紹介した「自己都合退職」の相談窓口である都道府県労働局には「総合労働相談コーナー」があり、専門の相談員による電話相談が可能だ。
また東京都労働相談情報センターでは、都内6カ所の駅前で相談を受け付けているほか、行政機関以外でも労働組合が主催する「NPO法人労働組合作ろう!入ろう!相談センター(旧労働相談センター)」や、「東京労働相談センター」のWebサイトなどを参考にできるだろう。
最後に、取材を通じて感じたのは、辞められない人に共通する性格として、自己責任意識が強く、素直で誠実、我慢強い人が多かったということだ。もちろん、人間としては真面目ですばらしい人には違いないが、会社や経営者にとっては従順で逆らわない人間と受け止められ、無理難題を押しつけられる場合も多い。
現状を変えたい、会社を辞めたいと思えば、勇気を出して声を上げることだ。仕事はあくまでも生活の対価を得るための手段と割り切り、自分の信念や価値観に従って行動に踏み出すべきだろう。
溝上憲文(みぞうえ のりふみ)
ジャーナリスト。1958年生まれ。明治大学政治経済学部卒業。月刊誌、週刊誌記者などを経て独立。新聞、雑誌などで経営、人事、雇用、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍。『非情の常時リストラ』で日本労働ペンクラブ賞受賞。
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