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育児でブランク14年 障がい者のシングルマザーが楽天子会社の副社長になるまでパーフェクトウーマン 女性が拓く新時代(5/5 ページ)

» 2018年11月27日 08時00分 公開
[大宮冬洋ITmedia]
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苦い経験が副社長としてのマネジメントに生きている

 以上が川島さんのインタビュー内容だ。楽天ソシオビジネスの給与体系は、特例子会社としては高い方である。採用時には、パフォーマンスや勤怠を見るために、基本的には契約社員としてスタートする。その後、正社員として登用されるとさらに昇格・昇給に応じてその額は上がっていく。

 「社員が自立して生活できるようにしたい。お金が足りずに別の仕事をして体を壊さないように」

 心配性な母親からの自立を切に願っていた川島さんの「母心」でもある。その代わり、少なくとも自分の給料分は自分で稼げるようにちゃんと働いてください、と釘(くぎ)をさすことも忘れない。

 若い頃、足の障がいではなく、実の母親との葛藤に苦しんだ川島さん。シングルマザーとしての子育て中は子どもたちの寂しさに気付いてあげられなかったという後悔もある。その全ての経験が、現在の辛抱強くて前向きなマネジメントを支えているのではないだろうか。

phot 10月中旬に訪れたコンビニはハロウィンの装いだった
phot アジア大会でメダルを獲得した従業員
phot 楽天のカフェテリアは朝昼夕食の全てが無料だ
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phot カフェテリアには優先席があった
phot 楽天ソシオビジネスのオフィス。楽天グループの総務関連の手続きなどアウトソーシング業務を行う
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phot リラックススペースも充実していた
phot 障がいのために扉を開けられない従業員のために、カードをかざせば扉が開く設計になっていた
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著者プロフィール

大宮冬洋(おおみや とうよう)

1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。自主企画のフリーペーパー『蒲郡偏愛地図』を年1回発行しつつ、8万人の人口が徐々に減っている黄昏の町での生活を満喫中。月に10日間ほどは門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験しつつ取材活動を行っている。個人のいまを美しいモノクロ写真と文章で保存する新サービス「ポートレート大宮」を東京・神楽坂で毎月実施中。著書に、『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる〜晩婚時代の幸せのつかみ方〜』(講談社+α新書)などがある。 公式ホームページ https://omiyatoyo.com


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