メディア
トップインタビュー
インタビュー
» 2018年11月28日 08時30分 公開

日立流「外国人人材の活用術」:日立に迫られる“日本的雇用”からの脱却 「グローバル人事戦略」仕掛ける中畑専務を直撃 (3/6)

[中西享,ITmedia]

GEなどから「外国人幹部」引き抜き

――海外での事業を拡大するために、この数年でGEなどライバル企業からも多くの幹部人財を引き抜いている。その理由は。

phot 外国人登用の草分けとなったアリステア・ドーマー氏(日立製作所のWebサイトより)

 海外では転職によるキャリアアップが当たり前に行われているので、引き抜いたという感覚はない。グローバルでの事業拡大のため、マーケットを良く知る人財が必要であり、スキル・経験を持った人財を獲得しようとした結果、海外のライバル企業の幹部人財になったということだ。例えば売り上げの80%が海外である鉄道ビジネスは、Alstom Transport UK出身のアリステア・ドーマーが担当しているが、グローバル経験の少ない日本人が、いきなりこの事業を担当するのは難しい。

 人財育成を通じてグローバルでの経験やスキルを積んだ日本人も増えているので、将来的に、日本人幹部がこうしたグローバル事業のトップを務めるケースも出てくるだろう。

phot 国内中心だった鉄道事業をグローバルに成長させた(2017年5月発表の日立製作所「2018中期経営計画」より抜粋)

――外国人人財はせっかくヘッドハントしても、日本企業がマネジメントをするのは難しいといわれてきた。外国人幹部を戦力化する決め手となる策は何なのか。

 私はかつてシンガポールに人事総務部長として約4年間駐在した経験がある。赴任していた2000年当時、シンガポール国内の退職率は平均25%とかなり高く、転職が頻繁に行われていた。その時に、多くの人と面接し、話し合った経験が役に立っている。

 優秀な外国人人財が他社に転職する際に求めているのは、「その会社が伸びるかどうか」だ。その是非を見極めるために、彼らは「戦略が明確かどうか」を見ている。だから会社の方針や戦略を明確に伝えないと、彼らは働いてくれない。

 こうした優秀な人財の流出を防ぐために最も重要なことは、1対1で面談してコミュニケーションをしっかり取ることだと考えている。

 私は現在、18人いる外国人部下のうち、直下にいる2人とはSkypeを利用して週に1度は面談しているし、日立の自動車事業を担うブリス・コッホ(日立オートモティブシステムズ社長)とは2週間に1度は会って、コミュニケーションを取るようにしている。議論すべきことがなくても、直接話してコミュニケーションをとることで信頼関係が築ける。

 また、彼らをマネジメントする上で気を付けているのが、任せたあともコミュニケーションを取ってケアをすること。任せたままケアを怠ると、手戻りが発生することがあるからだ。彼らも日本市場については知らないことも多い。そういう場合は認識を合わせたり私がチェックしたりすることで、慎重に進めるよう心掛けている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセスランキング
  • 本日
  • 週間

    Digital Business Days

    - PR -