インタビュー
» 2019年01月23日 08時00分 公開

直径500メートルに星、星、星! 世界最大のプラネタリウムに迫る水曜インタビュー劇場(投影機公演)(2/6 ページ)

[土肥義則,ITmedia]

GIGANIUM開発のきっかけ

土肥: 大平技研は1998年に、プラネタリウム投影機「MEGASTAR(メガスター)」を発売しました。当時、一般的な投影機は、6000〜3万個の星を再現していたわけですが、MEGASTARー1号機は150万個以上。以前の投影機を使うと、星がないところは「暗闇」だったわけですが、MEGASTARは肉眼で識別できない星も映すので、星空の奥行や質感も描き出すことに成功しました。

 その後も、星の数はどんどん増えていくことに。170万個、410万個、560万個……そして、直近の数字を見ると、なんと4200万個! 増やしているのは星の数だけではなく、楽しみ方も増やしていますよね。50万年前の星空を再現したり、病院をプラネタリウムにしたり、12Kの高解像度で映し出したり。

 さまざまなことに取り組まれていますが、今度は直径500メートルのところに対応した投影機を開発しているそうで。そもそもどういったきっかけで、そのようなモノをつくろうと思ったのでしょうか?

スタービレッジ阿智

大平: 2002年、公式Webサイトにこのようなことを書きました。「パルス核融合方式の光源を内蔵し、直径1キロメートルまでのドームに投影可能な能力を持つ」と。4月1日のエイプリルフールにちなんだ内容だったので、読んだ人からは「おもしろい」「興味深い」といった声をいただきました。冗談で書いたのですが、心のどこかで「いつか巨大なスペースに映し出すことができる投影機をつくりたいなあ」と考えていました。

 とはいえ、具体的なアイデアがあったわけではありません。ものすごくお金をかければ実現できるかもといったレベルで考えていたわけですが、3年ほど前にこのような依頼がありました。「ドーム球場で、某歌手のコンサートを開催する。そのときに、ドームの天井に星を映し出すことができないか?」と。

 実現できればいいなあと考えていたのですが、このときも具体的なアイデアはありませんでした。当社のスタッフを連れて、先方に「できません」とお断りするはずだったのですが、その場でふとアイデアがひらめいたんですよ。できるんじゃないかと。目の前で座っている担当者に、思わず「できます! ぜひやらせてください!」と言ってしまいました。

2018年11月にメットライフドームで行った実証実験
拡大写真

土肥: えっ? 依頼を断るために、担当者に会ったんですよね。それなのに「できます!」って、同席していたスタッフもびっくりしたのでは?

大平: 隣で座っていたスタッフの顔を見ると、真っ青になっている。「な、なに言っているんだ。この人は」といった表情をしていました(苦笑)。

土肥: ドーム球場に映し出すことができる投影機って、どのようなモノなのでしょうか? 既存のプラネタリムって、ピンホール式、光学式、デジタル式の3種類がありますよね。例えば、光学式の場合、小さな穴があいた原板に光を通して、その光をレンズを使ってスクリーンに投影しています。

大平: 既存の仕組みを使うと、どうしても効率が悪くなるんですよね。効率よく光を通すことができれば、ドーム球場でも映し出すことができるかもしれない。じゃあ、どうすればいいのか。ミラーボールのようなモノを使えば、実現できるのではないかと考えました。

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