直径500メートルに星、星、星! 世界最大のプラネタリウムに迫る水曜インタビュー劇場(投影機公演)(3/6 ページ)

» 2019年01月23日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

「ソーラレイ」のようなビームを鏡にあてる

土肥: もう少し具体的に教えてください。

大平: 現在開発中なので詳しい話はできませんが、ミラーボールのようなモノにたくさんの鏡を貼って、そこに強い光を当てるんですよね。アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する、巨大レーザー兵器「ソーラレイ」のようなビームを水平に放って、それが鏡に反射して星を映し出すといった感じ。

土肥: ソーラレイのようなビームとなると、かなり特殊な光源になるのでしょうか?

大平: いえ、それほどでもありません。先ほどご紹介したように、この方式の場合、効率がものすごくいいんですよね。効率がいいので、ドーム球場の天井にも投影できることが分かってきました。

2017年2月に日本武道館で行った実証実験

土肥: では、鏡はどうでしょうか? 直径500メートルほどのところに映し出すことができるとなれば、これまでにはなかった特殊な素材を使っているのでは?

大平: いえ、それほど特殊なモノではありません。家庭用の電源を使って、ごく普通の鏡を貼っている。誰もが真似できないようなスーパーテクノロジーを駆使しているのではなくて、既存のモノを組み合わせているのが、この投影機のキモなんです。

 このような話をすると、「誰でもできそうじゃないか」と思われたかもしれませんが、ミラーボールのようなモノに鏡を組み込んでいく作業が大変なんです。位置と大きさを精密に決めて、貼り付けていかなければいけません。基本的に鏡1枚に対して、星1つ。6000個の星を映し出す予定なので、6000枚の鏡を組み込んでいかなければいけません。

種子島宇宙芸術祭にて

土肥: ミラーボールのようなモノの大きさは、どれくらいですか?

大平: 直径320ミリを予定しています。

土肥: えっ、たったそれだけ? ドーム球場に映し出す投影機なので、巨大サイズだと思っていました。

大平: いえ、手で持ち運びができるサイズですね。一般的なミラーボールには、ほぼ同じ大きさの鏡が等間隔で貼られていますが、GIGANIUMは違う。鏡の大きさはさまざまで、角度もさまざま。

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