土肥: バーを完成させるのに、どのくらいの時間がかかったのでしょうか?
松居: 2017年10月にレシピを考えて、商品を発売したのは18年11月。というわけで、開発期間は1年ほどですね。その間、たくさんの人に話を聞いて、試食をしてもらいました。道路でスケボーをしている人に、どういった課題を感じているのかといった話を聞いたり、スポーツジムに飛び込んでどんな商品であれば置いていただけるのかリサーチをしたり。
たくさんの人に試食してもらって、「臭い」と言われればレシピを見直し。また、「臭い」と言われれば、レシピを見直し。このようなことを繰り返しながら、何とか完成させることができました。
まだ”ボロボロ”とこぼれるものの、形になってきた(撮影:2018年2月)
土肥: 現在、スポーツジムなどで商品が並んでいますが、営業も大変だったのでは? 「コオロギ入りのプロテインバーができましたー!」と売り込んでも、「虫なんて持ってくるな!」といった反応がありそうで。
西本: 営業に行っても、受付で断られるケースがありました。担当者に話を聞くことができても、「ウチでは無理。虫を使った商品を並べて、ヘンなうわさがたつといけませんからね」といったケースもありました。
その一方で、原材料の話をすると、「コオロギ? 詳しく話を聞かせてもらえませんか?」と興味を示してくれたところもありました。体や栄養に関して詳しい人が多いので、「どんな栄養素が入っているの?」「ちょっと食べてもいいですか?」といった声もたくさんありました。
土肥: 両極端だったわけですね。
松居: そんなこんなで商品は18年11月に発売したのですが、実は9月まで工場が決まっていませんでした。現在、タイでコオロギを養殖していて、現地で製造しているんですよね。国内で製造してくれる工場を探していたのですが、うまく見つからずでして。
ただ、何もしないで指をくわえているわけではありません。滋賀県でコオロギを養殖するパイロットファームを構えていて、国内での製造に向けて準備をしています。うまくいけば、この春に国内での製造がスタートするかもしれません。
“売れない魚”の寿司が、なぜ20年も売れ続けているのか
魚のサイズが小さかったり、見た目が悪かったり――。さまざまな理由で市場に出荷されない「未利用魚」を積極的に仕入れ、宅配寿司のネタにしているところがある。しかも、20年も売れ続けていて……。
「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。
コオロギを食べ続けて、どんなことが分かってきたのか
コオロギやハチの幼虫などを食べる――。「虫を口の中に入れるなんて絶対に嫌」という人にはちょっと信じられないかもしれないが、昆虫を使っていかにおいしい料理をつくることができるのか、といったことを研究している人がいる。本人にインタビューした。
「現金お断りの店」は、その後どうなったのか? ロイヤルHDの実験
1年ほど前、東京の日本橋に「現金お断り」のレストランが登場した。ロイヤルホストを運営するロイヤルHDが運営しているわけだが、キャッシュレスにしてどんなことが分かってきたのか。メリットとデメリットを聞いたところ……。
最大11時間飲み放題の「バー」が、じわじわ増えている秘密
若者を中心に、人気を集めているバーがある。店名は「The Public Stand」(通称:パブスタ)。最大11時間飲み放題で、価格は男性3240円、女性は1080円。この安さがウケているわけだが、採算はとれているのだろうか。パブスタを立ち上げた、担当者に話を聞いたところ……。
カプセルホテルの“常識”が変わる? 「ナインアワーズ」の考え方
カプセルホテルといえば、サラリーマンのおじさんが泊まっているといったイメージが強いかもしれないが、数年ほど前からちょっと異変が起きている。オシャレな雰囲気を演出しているところが増えてきたなかで、「眠り」にチカラを入れているところがある。それは……。
売り場を減らしたのに、なぜ崎陽軒のシウマイはバカ売れしているのか
東京や新横浜で新幹線に乗ると、車内でビールを飲みながら「シウマイ」を食べているサラリーマンをよく目にする。崎陽軒の「シウマイ弁当」だ。駅弁市場は縮小しているのに、なぜシウマイ弁当は売れているのか。その理由を、同社の担当者に聞いたところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.