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“天才写真家”を次々と発掘 業界に風穴空ける女性創業者の「目利き力」パーフェクトウーマン 女性が拓く新時代(6/7 ページ)

» 2019年04月19日 08時00分 公開
[大宮冬洋ITmedia]

情報が少ないほど感覚が研ぎ澄まされる

 以上が姫野さんへのインタビュー内容だ。東京に比べて情報が少ない京都のほうが仕事しやすい、という姫野さんの言葉が印象的だった。筆者も結婚を機に東京から愛知県に引っ越して、姫野さんと同じ出版業界で働き続けているからだ。

 情報が少ないほうが、かえって感覚が研ぎ澄まされる面もあるのだろう。そして、土地も安くて人が少ない地方都市は、家族での生活がしやすいと思う。好きな仕事に打ち込み、社員と子どもを養えて、夜は仲間とお酒を楽しむ。そんな暮らしが理想ならば、東京に住む必要はないのだ。

 人間への興味を持ち続け、自然体で暮らし働いている姫野さん。彼女が作る写真集には生々しい何かが流れている。そう感じる理由が今回のインタビューで分かった気がした。

著者プロフィール

大宮冬洋(おおみや とうよう)

1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。自主企画のフリーペーパー『蒲郡偏愛地図』を年1回発行しつつ、8万人の人口が徐々に減っている黄昏の町での生活を満喫中。月に10日間ほどは門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験しつつ取材活動を行っている。個人のいまを美しいモノクロ写真と文章で保存する新サービス「ポートレート大宮」を東京・神楽坂で毎月実施中。著書に、『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる〜晩婚時代の幸せのつかみ方〜』(講談社+α新書)などがある。 公式ホームページ https://omiyatoyo.com


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