今や芸人以外にも多くの顔を持つ、キングコングの西野亮廣さん。会員数2万5000人を誇る国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』のオーナーでもあり、クラウドファンディングを通じて総額2億円以上を調達している。インタビューの前編では、お金に対する考え方と、ビジネスにおける仕組み作りのコツを聞いた。後編では西野さんが心掛けているバッシングへの対応策と、かねて公言している「ウォルト・ディズニーを超える!」という宣言の真意をお届けする。
―――クラウドファンディングやオンラインサロンなど、新しいことを始めると社会からたたかれることもありますが、西野さんはどのように捉えているのですか?
半年に一回とか、1年に1回の炎上だとしたら、「あぁ燃えている。どうしよう……」となるのかもしれませんが、僕は2〜3日に1回ペースで炎上しているので、そこで感情が動くことはないですね(笑)。火事というよりも、暖炉みたいな状態です。通常営業が燃えています。
ただ、人が何かをたたく時の原因が「情報不足」にある場合が多いのは寂しいですね。知った上でたたいているのではなくて、「クラウドファンディング? なんか悪いものなんでしょ? 宗教なんでしょ? 最低!」という理由なので。
『アル』という漫画アプリを手掛けているお友達の「けんすうサン」が言っていて面白かったのが「『知らない』と『嫌い』の感情が非常に似ている」と。言われてみると確かに、僕らは嫌いなものを嫌うよりも、知らないものを嫌うケースの方が圧倒的に多いです。当時、芸人は面白がってクラウドファンディングをたたいたんですけど、それで芸人がクラウドファンディングができなくなってしまったという。
今はもう時効が成立して、最近、芸人もクラウドファンディングをポツポツやりだしたんですけど、あのとき芸人さんがクラウドファンディングやっていたら、世に出ていた面白いプロジェクトがあっただろうなと思います。「捨てなくてもよかった夢」もあっただろうなって思うと、そこは寂しいですよね。
――なるほど。確かにその通りですね
芸人でも、「テレビに出るのは苦手なんだけれども30人の前でお笑いをするのは得意」という人がいたとするじゃないですか。そうすると、その方はテレビ収入は望めないですけど、今だったら30人のコアなお客さんに支援してもらっていたら、活動は続けられます。
オンラインサロンをやっていたら、ダイレクト課金してもらえるので、その人は芸人を続けられていたわけじゃないですか。だけど「テレビは苦手だし、お客さんが30人だから、芸人活動なんてできないよね……」と言って引退した芸人って山ほどいると思うんですよね。「オンラインサロン」という情報さえ仕入れていれば、捨てなくてすんだ夢です。
もう津波みたいなものが来ていて、「みんな津波が来ているぞ!」といって「ヤバイ逃げろ!」「早く丘の上に逃げよう!」って言っているのに、「またまたー(笑)」「痛いなお前」みたいなことを言って、そうじゃなくて「時代が変わっているんだから逃げなきゃやばいよ」って言っているのに、「またまたー」と言われちゃって。
でも僕は生き延びなきゃいけないので、丘の上に逃げるんですけど。それで案の定、津波が来て、仲間の芸人とかがバーッと流されていくのを見ている感じですね。それはやっぱり寂しいですね。見たくないのでそれは。
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