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» 2019年09月04日 08時00分 公開

LOVOTを生んだGROOVE Xの“中の人”に聞く――イノベーションを起こす組織の法則とは(2/5 ページ)

[宮本恵理子,ITmedia]

かつてない製品のビジネスモデルをどうやって作ったのか

Photo GROOVE Xの畑中真一郎氏

―― ケンブリッジが支援に入ったのは2018年2月頃。そこに至るまで、GROOVE Xでは立ち上げ期から、どのように「LOVOT」のビジネスモデルを模索していたのでしょうか?

畑中 重要な課題だったのが、LOVOTが「単に作って売って終わり」という製品ではなく、お客さまに長く使っていただき、愛着を育んでいただくためのサービスも同時に開発しなければいけなかったことです。

 そのためには、「サブスクリプションモデル(以下、サブスクモデル)を実現することが肝になる」――ということまでは決まっていましたが、当時はまだメンバーも少なく、システム開発の経験者もいませんでした。正直、何が大変なのかも分からない状態で。ロボットのサブスクモデルでは他社事例もない。社内だけでアイデアを練るのは限界を感じ、外部支援をお願いすることにしました。

梅澤 GROOVE X さんは製品開発にできるだけ集中していただき、外部から支援に入っているコンサルの私たちが「売るための仕組み」を構築するという役割を担いました。

 国内販売が当面の目標だったものの、国内に行き渡らせるための物流をどうするか。リペアに迅速に対応するためにはどういった拠点が必要なのか。ユーザーサポートはどれくらいの規模から始めていくか。個人情報を守るための認証システムはどうするか。決済がもし予定通り履行されなかった時には――などなど、論点は多岐に渡りますが、一つひとつ、議論していきました。

 製品づくりと売るための仕組みづくり、GROOVE X さんと私たちで役割は分けていますが、完全に切り離して考えているわけではありません。売るためのビジネスモデルを考えた結果、製品側へのフィードバックも生じますし、逆もあります。お互いにフィードバックするコミュニケーションは重視してきましたね。

畑中 「かけはしプロジェクト」というプロジェクト名も週1回、全社員とパートナー様が参加する「GROOVE Session」というミーティングでアイデアを募集し決定しました。

 背景にあるのは、「エンジニアが必死で作った製品は、お客さまに確実に届いてこそ価値が生まれるよね。だから、届ける部分にフォーカスした話もしよう」ということ。“届ける”をコンセプトにするから、「かけはしプロジェクト」と名付けました。「エンジニアは作ることに集中すればいい」というのではなく、「売る仕組みまで考える場」を共有しています。

Photo イベントのモデレーターを務めたケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズのアソシエイトディレクター、村上邦彦氏

―― かけはしプロジェクトには何人くらいが参加しているのでしょうか?

畑中 一番多い時で50人くらい。今はだいたい20〜30人ですね。それも、いろいろな立場のパートナーさんが参加するので、非常に複雑な形になっています。物流から決済、リペアまで、ビジネスモデルとして扱う範囲が広いのに加えて、それらに関わる多様なプレイヤーと足並みをそろえていく難しさは常にあります。

梅澤 おっしゃる通りですね。述べ10社を超える企業が関わりながらプロジェクトを進めていますから。

杉田 パートナー企業の選定は悩みましたね。取りまとめ役となるプライムベンダーを1社選んで解決する――という方法もありましたが、いかんせん当社のビジネスのスピード感や、日々変化する要件に対応いただくことが重要であり、ネックでもありました。

 検討の結果、領域ごとにベストなパートナーを選定して組み合わせていくという選択をしました。正直なところ、管理は難しくなりますが、「一緒に伸びていこう」という気持ちを確かめながら、未来の成長を目指して進んでいます。

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