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ジャニー喜多川が育成 TOKIO国分太一、V6井ノ原快彦に学ぶ「最強のコミュニケーション術」ジャニーズは努力が9割【後編】(4/5 ページ)

» 2019年09月04日 04時00分 公開
[霜田明寛ITmedia]
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空気を壊さない「潔癖症」

 相手に真摯に接する姿勢は、女性との接し方でも共通です。

 「褒めるときも本気じゃないとすぐバレるとか(笑)、いろいろわかってきましたね。だから、本気で褒めるために、女性に限らずですけど、その人にちゃんと興味を持って、いいところを探すようにしてます(*:「saita」2013年10月号)」

 逆に自分が話を聞かれる立場になる時には、質問する側が少々失礼でも、井ノ原は空気を壊しません。例えば新作の映画の公開時には、取材日が設けられるのが通例。その日は一日中、いろいろなメディアのインタビュアーに同じ質問をされ続けることも。それでも井ノ原は「待ってました、その質問」といってインタビュアーのテンションを上げるそうです(*:「日経おとなのOFF」2014年6月号)。

 「1回口に出すと、結構言えるもんですよ。すると、『言霊』じゃないですが、言葉によって自分の気分が上がり、相手も愛情を持って話してくれる。結果的に僕もうれしくなる(*:「日経おとなのOFF」2014年6月号)」

 「結果的に自分のためにもなる」とはいえ、「待ってました、その質問」と半分ウソをついてまで、場の空気を良くしようとするのは、徹底しています。本人も自覚はあるようで「たぶん僕、自分の周りの人が1人でも居心地悪そうにしていたり、苦しんでいるという場に対する潔癖症(*:「ステラ」2014年4月18日号)」と自称します。

 『あさイチ』で井ノ原とともに、番組を引っ張った有働由美子アナウンサーも「イノッチは、私のことも含めて、ゲストをどう立てようかということに全神経が向いているし、人の痛みを感じるセンサーみたいなものが敏感(*:「女性自身」2014年1月28日号)」と評します。

 そんな井ノ原の対人コミュニケーション技術の最たるものが、「(3)相手を絶対に否定しない」です。

 「人間って、否定癖がある気がするんですよ。『否定』は、俺のやり方は正しいっていう自信から来ますよね。でも否定すると、相手から『いや違う』ってさらに否定が来てお互いに自信を失う。それだと、コミュニケーションが成り立たないですよね。まず、『いいね、それもありだね』と言えば、コミュニケーションが成り立って、『でもそうすると損だよ』と続けられる(*:「日経おとなのOFF」2014年6月号)」

 まずは何でも肯定から入るという姿勢。これがいきすぎて仕事の打ち合わせでは、「そろそろ否定してもらってもいいですか?」と言われるほど「肯定マン」になってしまうこともあるようですが(*:「日経おとなのOFF」2014年6月号)、だからこそ、ゲストにもスタッフにも嫌われない井ノ原快彦でいられるのでしょう。逆の言い方をすれば、自分が否定されないためには、相手を否定しないことが一番の近道、ということかもしれません。

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