クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向
連載
» 2019年12月16日 07時10分 公開

池田直渡「週刊モータージャーナル」:自動車メーカーにとっての安全性と、ボルボ (4/5)

[池田直渡,ITmedia]

ボルボの安全開発のナンバー2であるヤン・イヴァーソン氏

 ボルボはなぜ、そういう独自の安全思想を持てるのか? そして、技術の進歩と安全、商品性と安全のバランスをどう考えているのか? 折しも来日したボルボの安全開発のナンバー2であるヤン・イヴァーソン氏に、特に自動運転時代のボルボの安全技術開発と社会的責任についてインタビューした。以下は、イヴァーソン氏の説明である。

 私たちがやっていることは、常に人を中心に回っています。私たちはいろいろなデータを中心に安全性に取り組んでいますが、重要なのは新しい技術や機能を受け入れる部分と、安全性能を高めるということのバランスを取っていくことです。そういった意味で、弊社は少し保守的なスタンスを取っているかもしれません。

 私たちが新しい技術をどんどん出していっても、それを使う人が受け入れてくれなければ、それは失敗です。ですから、クルマと運転する人が良いインタラクションを取れるかが重要になります。

 今後自動運転が新しいフェーズに入って、どんどん新しいデータが出てくるでしょう。今この時点でその新しいデータは私たちの手元にはありません。ですがこれまで蓄積してきたたくさんのデータがありますので、それを使いながら未来に向けた取り組みを、あくまでも保守的に、しっかりと着々と進めていきたいと思っています。

 その上でのクリティカルなシナリオは大変重要になります。やはりユーザーの方に信頼して頂かなければならないので、だからこそ保守的に前進するというやり方をしています。

 自動運転については、これまで非常に深い考察を元に取り組んできました。その中でいくつかのクリティカルなシナリオを明らかにして、それを検証し、それに対するエンジニアリングの作業を進めました。

 われわれはすでに多くのデータを元に、自動運転以前で考慮すべきクリティカルなシナリオは把握しています。これが自動運転のフェーズに進めば、従来の複数のシナリオが合成された新たなシナリオができてくると思います。私たちが行っているのは、そんな合成されたシナリオを検証していくということです。

 そこから生まれた手法や考え方というのは、米国の政府にも欧州の政府にもプレゼンをしています。来週は中国政府の関係者にもそれをプレゼンする予定になっています。

 開発のスピードはゆっくりに感じるかもしれませんが、とても手堅く安全に進めております。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセスランキング
  • 本日
  • 週間