新商品の開発背景について、キングジムの畑山優貴氏(開発本部 電子文具開発部 ラベルライター課 リーダー)は「以前からかなり広い幅のカートリッジを使いたいという要望があり、近年はインバウンド向けの多言語対応でさらにニーズが増えていた」と話す。
しかし、初期のテプラが対応していたテープの幅は6〜24ミリで、幅広テープは想定外のニーズ。2013年に当時の最上位モデルとして発売した「テプラPRO SR5900P」では3〜36ミリ幅のテープに対応したが、もっと幅の広いテープへの対応は進んでいなかった。
ではなぜ幅広テープの対応は難しいのか。畑山氏によれば、テプラの中にはテープカートリッジを押さえるためのストッパーやピンがあり、テープの幅や加工に合わせて適切な力を加えてテープを固定することで、文字が欠けたりよれたりすることなく、スムーズに印刷できるようになっているという。しかし、使えるテープを増やすにはこうした部分の強度や配置を見直し、改良する必要がある。
畑山氏は「他の商品との互換性を持たせ、同じテープカートリッジを使えるようにするために、ピンの太さは変えられない。そうした縛りもある中で、当初の設計予定にないテープに対応するのは難しかった」と振り返る。
新商品のサイズについては、社内から「もっと小さくできないか」という声もあったが、幅広テープでもスムーズに印刷できることなどを考え、今の大きさに落ち着いたという。
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