要するに、「長時間労働で休みもないけど、仕事の満足感は高いんだよ〜。でも、オーナー店長は経営者だからいいけど、オレらはしょせん会社員。なんやかんや上からうるさく言われるし、雑用も多いし、ストレスたまっちゃって、体調悪いし、やる気も出ないんだよなぁ〜」ということが明かされたのです。
これらの結果を受け、コンビニ業界がどんな施策を講じたかは分かりません。しかし、ここで得られた結果と問題点は、「今」を予想させるもので、本部のやりがい搾取が「今」の窮状を生んだといっても過言ではありません。
つまり、件の報告書には、「対応を間違えると、業界全体の発展を疎外することにもなりかねない危険性をはらんでいる」とあるにもかかわらず、その危険性を排除しないまま、店舗数は爆発的に増えた。そして、25年たった今、年中無休は、働く人の健康を脅かす“凶器”となってしまったのです。
東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。その後、東京大学大学院医学系研究科に進学し、現在に至る。
研究テーマは「人の働き方は環境がつくる」。フィールドワークとして600人超のビジネスマンをインタビュー。著書に『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアシリーズ)など。近著は『残念な職場 53の研究が明かすヤバい真実』(PHP新書)、『面倒くさい女たち』(中公新書ラクレ)。2019年5月、新刊『他人の足を引っぱる男たち』(日経プレミアシリーズ)発売。
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