阿久津氏は、今回TOUCH TO GOのために開発した無人決済やデータ活用の仕組みを外販する取り組みも始めている。TOUCH TO GOと同等の60平米ほどの広さの店舗であれば、システムの初期導入費用は無料で、月額80万円ほどのサブスクリプションモデルとして提供する予定だという。
一括買い取りではなくサブスクリプションモデルを採用した理由について、阿久津氏は「マイクロマーケットの小規模店舗にとって、多額の初期投資はとてもハードルが高いので、初期費用はゼロにして毎月の利用料をいただくモデルを採用しました。現在は月額80万円程度を想定していますが、これも今後カメラやセンサーなどの機器類の価格が下がってくれば、もっと安くしたいと考えています」と述べる。
この仕組みを導入するために店舗の設備を大幅に入れ替える必要はなく、既存の内装や設備のまま、後付けで機器類を設置できるようになっているという。「既に多くの企業から問い合わせが寄せられており、そのうちのいくつかの店舗でPoC(Proof of Concept、概念実証)を実施する予定です」と阿久津氏は話す。現時点では、20年度中に5カ所ほどで実証実験に取り組む計画だ。
「今回の高輪ゲートウェイ駅店での経験を経て、認識率や精度は十分に目標レベルを達成できましたので、後はより多くの企業がこの仕組みを導入できるよう、コストを削減に注力していきたいと考えています。今後自動運転などの技術が実用化されて、カメラやセンサー機器が大量生産されるようになれば価格も一気に下落するでしょうから、さらに低コストで提供できるようになるはずです。日本のマイクロマーケット開拓のためにも、この仕組みを試していただければと考えています」(阿久津氏)
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