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» 2020年07月30日 05時00分 公開

ポイントは「副業」ではなく「複業」:コロナ機に大手でも採用の「社外プロ人材」 人事領域での活用ポイントは? (2/5)

[高橋実,ITmedia]

依然として強い「フルタイム信仰」

 筆者は、現在の複業という働き方になる前に、複数の企業から人事責任者のポジションとしてオファーをいただきました。当時は本業の隙間時間を利用して、他社の組織課題のお手伝いをしていたため、履歴書には「副業をしている」と記載していました。

 はじめに受けた企業で、こんな面接のやりとりがありました。

企業「是非、当社で働いてくれませんか」

筆者「はい。前向きに検討させていただきたいと思っています」

企業「ところで、この履歴書に書いてある副業先は、辞めてもらえますか。当社には、フルタイム勤務でお願いします」


 その後、選考を受けた企業全てで同じ条件を提示されました。

 当時本業で勤めていた会社では、「時間と場所にこだわらない働き方」を推進しており、筆者自身も積極的にリモートワークを行っていました。選考ではフルタイム勤務でないリモートワークの仕事のパフォーマンスは十分評価していただいていました。それでもなお「フルタイム勤務が必須」という入社の条件を提示されたのです。

 このように、現在の日本の働き方は、想像以上に「フルタイム勤務」に縛られています。それにより、優秀な人材がパフォーマンスを発揮する機会は限られてしまうのは残念なことです。

プロ人材のパラレルワークこそ、これからの打ち手

 今後、日本企業が直面する大きな課題は、「世界でも未曽有の労働人口減少」です。少子高齢化が進む日本では、労働供給量の絶対数が足りなくなります。コロナ禍の急激な経済の落ち込みによっていったんは沈静化したように見えても、コロナ禍が終息し、経済が復興していけば、労働人口による人手不足の問題にいずれ直面するでしょう。

出所:パーソル総合研究所「労働市場の未来推計2030」

 これまでも女性やシニアの活用、外国人労働者の受け入れ、生産性向上など、労働人口減少に対する打ち手は進められてきていますが、急激に進んでいく労働力減少には追い付いていません。

 だからこそ「プロ人材の複業(パラレルワーク)」によるナレッジシェアが、労働力減少の大きな打ち手となると筆者は考えています。他の企業で活躍しているプロ人材が持っている知識や経験が欲しい企業も多いはずです。しかしながら、先述のように日本の雇用の選択肢は限られており、多くは「フルタイム勤務での正社員」でナレッジシェアは難しい状況です。「プロ人材が、複数の会社でパフォーマンスを発揮する」ことができれば、労働力不足への大きな打ち手になるのではと考えています。

「副業」と「複業」の違い(筆者作成、無断転載禁止)

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